レビュー一覧

本作は前半と後半でジャンルが若干異なります。前半は復讐劇、後半はサイコホラーです。復讐劇というジャンルは、「胸糞悪さによるフラストレーション」を「復讐によるカタルシス」で解放する快感が醍醐味だと思います。本作は後半から狂人相手のサイコホラーとなるため、前半で溜めたフラストレーションを消化しきれず読後感は最悪の一言に尽きます。以上の理由から☆2あたりを付けるつもりだったのですが、結末まで読んで認識を改めました。終盤、狂人と相討ちになり瀕死の主人公。彼女の唯一の希望は妹(重傷の火傷により瀕死の状態)でした。最期に妹から貰ったペンダントを手に取ると、ドス黒く変色していることに気付きます。妹が死んだことを悟った主人公は、号泣しながら息をひきとります。全編通して報われなかった彼女ですが、最悪の絶望が死の直前に訪れたわけです。こんな胸糞の悪い話があるでしょうか。衝撃を受けるとともに、本作は「胸糞悪さ」に特化した作品だと理解しました。作者の目論み通り胸糞悪くなってしまった以上、高評価を付けざるを得ません。

一気に最後まで読み上げてしまった。切なく、でも身近に起こえる狂気絵が良かった。　　

衝撃的なラストでしたが、引き込まれるように読み込んでしまいました。読み終わった後の脱力感がなんとも言えません。映画化されるようなので楽しみです。

なんだか、切なくなってしまうストーリーです。

前半でギブアップした話で本当に救いようのないお話ですがなぜ完全版が出ているのだろうと不思議に思います。表紙の絵は綺麗ですが、中は結構ドス黒いです。

とにかく、すごい！かなり、異常な環境です

今はもう販売されていない単行本版にて読みました。陰湿なイジメとそこからの復讐劇がメインなお話で、登場人物の大半はクズ揃い。ターゲットとなった被害者の毎日は地獄絵図で、とことん救いようのないお話です。しかし最後の最後でたった一人だけ後悔を口にした加害者がおり、そこだけ妙に人間らしさを感じて唯一の救いにさえ思えました。といっても所詮は加害者・・・罪人ではあるのですが。そしてラストも哀しくて納得のいかない結末ですが、人を殺めた代償としては妥当な終わり方なのかなと思いました。

そこまで好きな作品とは言えないのに、なんだかんだ3回くらい、時間をあけて全巻読み返してしまいました。それくらいインパクトの強烈な作品でした。主人公とその家族が圧倒的被害者で、とにかく可哀想で、でも激しい復讐心と怒りから主人公の生命力の強さを感じるという…それがまた切ない。読むたびに胸が痛くなります、ラストシーンは特に…。

砂を噛むような嫌な気分と同時に、見たくないのにどうしても見てしまう、妙な気分になる内容。誰も救われないのが痛い。

いじめを始めるきっかけが「転校生」っていうのが、安易というか。親にまで画びょう付きの靴でケリ入れるし。警察介入レベル。放火までしてしまうところも・・・。いじめも、担任が知らないふりしても、あれだけ人数が少ないと、他の先生が気付かない訳がない・・・。ただただ「酷い」に尽きます。