レビュー一覧

「本当に、やさしい。」「パンドラ」「昨日よりいつも違う日」「少しだけ意地悪な告白」の４本の短編と中編のソルフェジュが収録されています。苦い味わいの「本当にやさしい」、江戸時代の強盗たちの凛々しさの「パンドラ」、最低最悪の一日を過ごした男の子のふんわりしたラストの「昨日より～」、オーヘンリ短編集の一編の様な味わいの「少しだけ～」。４編とも短編だけれど、カチッとした作りで面白かった。「ソルフェージュ」はクラシックの声楽の素養がある学生を指導する先生とのあれこれが十年以上の時を経て繰り広げられる様が映画を観ている様な感じでした。とても面白かった。

作者さん買いです。どの話も切ない部分がありました。読んだ後にじんわりとくる話が多かったです。

昔の作品なのに、まだまだ新鮮な気持ちで読める。さすが、よしなが先生。

音楽教師と元生徒の数年間に渡る恋愛（？）のお話です。とても面白い大作です。普段、ＢＬ物は読まないのですが、やはりよしながふみ先生のお話は面白いです。性描写もそこまで過激では無く、読み易いと思います。（受け付けない人は受け付けないでしょうが）『大奥』や『きのう何食べた？』でもそうですが、年月の経過を描くのがとても上手だなあと感心します。最初はただ幼かった脇役の女生徒が、後半はさり気無く大人びていたり。のちにキーパーソンになったり。本当によしなが先生は構成力が素晴らしいなと、改めて感じました。吾妻少年の音楽の才能が開花する様も見応えがあります。

先生と生徒の話が、切なかったです。すれ違いや、周りとの関係性からです。

よしなが先生の作品はクスっと笑える部分もありつつ、作品を読み終わると感動しています。昔の作品ですが古臭く感じない部分もすごいと思います。

最初っから痴話喧嘩みたいな事件の匂いがして驚きました。

短編集です。なんとなく切なくてちょっと辛い話もあります。

作者買いです。やっぱりストーリーが切なくてすっごくいい。

こんなに切なくてやるせない気持ちを描ける作家さんはいないんじゃないかと思います。さらにすごいのが、切なくてやるせない気持ちを描きながらも、ストーリーに救いがあることです。