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救いようがないくらい暗い。だがスタイリッシュな絵によって暗さが中和されて感じるから不思議。
特徴的な画とストーリー、どちらもワタシ好みでした。結局は自分の好みに合うか合わないか、だと改めて最近思うのです。暗いストーリーが苦手でもこの作品は面白いと思って読めました。
タイトルとは裏腹にシンプルで可愛い作風、でも内容はと言えばあまりにも過酷でヘビー。実写化されたらトラウマ映画の常連になるのでは、と思います。むしろこの絵じゃないと最後まで読めないかも。主人公イアンはとにかく純粋。家族に愛されたくて、一緒に暮らしたくて、まっすぐに生きています。ただ育った環境がいろいろひどくて、もっと自分の運命を呪ったり、周りを恨んでも良さそうなのに彼はそれをしない。周りはもっと強かに要領良く生きているのに、彼はささやかな願いさえ叶えることを許されない。イアンはこの世で生きるには、あまりにも純粋すぎたのかな…とあれこれ考えさせられました。かと言って他の人たちもちょっとわかる部分がないわけでもないんです。イアンの母親や姉だって父親の裏切りを知ったらあんな風に荒んでもおかしくない。何もかも捨てて逃げ出したいと思うこともある。イアンの人生はあれが正解だったとは決して思えないけど、どうすれば良かったのかというと…わりきれない、モヤモヤする、上手く言えないけど誰かと分かち合いたい…、この読後感こそが「not simple」なのかなと思いました。
どう言葉にすべきかわからないのですが。どうしたらこんな物語を書くことができるんだろう。実はレンタルしたのは随分前で、それから何度も何度も読んで、やっとレビュー欄に向き合えています。重いです。重くて沈鬱。けれどそれだけではない。映画のようでした。きっとこれからも何度も読みます。
かなり悲惨な物語で、切なく、読後感が重いです。しばらく余韻に浸りたくて、読み終わってすぐ、最初からまた読み直しました。ジムの行方ははっきりと断言されていませんが、奥付けの1つ前のページに描かれているのは、ジムなのかな?と勝手に思います。イアンの軌跡を探して歩いているのかな、と。どの登場人物にも大きな役割があり、描写はされていない部分のそれぞれの過去や葛藤、絶望そして希望に想いを馳せたくなります。
ヴィム・ベンダースの初期の映画を見るような錯覚を覚える作品でした。Not Simple, but Simple.
すごい切ない。なんか切なすぎて泣けた。最初の話と最後がつながって、はっとする。全員ほぼ不幸。
友人の小説家の「お前の人生は凄い。1年後に小説にする〜 」というセリフから始まる物語。時間も物語も淡々と進み、主人公のイアンが怒らず泣かずという性格なので読んでいる方も淡々と読み進めるが、なかなかの事実の連続に実際は、ドスンドスンとガンガンとメンタルを揺さぶられてヤラれる物語。登場人物の多くが傷付き、そうでない生き方を出来た筈なのに… と思わずには居られない。とても悲しい物語。東京の12月に降る冷たい雨のよう。
ことあるごとに読み返してしまう大好きな一冊です。
大好きな作家さん。作画も物語も他にはないオリジナリティで、センスを感じます。でもってユーモアもある。素晴らしい。
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救いようがないくらい暗い。だがスタイリッシュな絵によって暗さが中和されて感じるから不思議。