レビュー一覧

おもしろい部類には入れたい作品なのだけれども・・ヒロインが「責任感」に取りつかれているいい子ちゃん過ぎるのに疲れる。実際本人も周りも疲れるけれども。ライバルヒーローがかわいそう。一途だし。どんな状況でも彼女を愛する姿が素晴らしい。ある意味幼いころから大切に育んできた「真実の愛」を投げ捨てて、責任と家のために結婚した結婚相手もそんなに悪い人ではなかったし、物質的に安定することが何より大切よね。というような感じにも受け取れる。それに、悪役の求婚者を他人を救うためと言えども自分の身を傷つけてまでも接近して無謀を犯す姿。しかもふったライバルヒーローに助けを求めるって、、。「自己犠牲」の賛美的に描かれているけれども。それは違うだろう。と思った。こんなにヒロインに育てられるこれから生まれるであろう子供はけっこうきついだろうなと思ってしまった。ライバルもいるし燃え上がっているニコラスも・・こんな妻ではきっと息苦しくなって浮気と賭博に戻るのではないか？ヒロインは将来、子供に厳しく、自分の自由や幸せよりも責任を強要し、自己犠牲を強いる。そんな母親になりそう。おまけに嫉妬心も強烈に抱きながら、いい子ちゃんのあまり表に出そうとせずに、どぐろまいて・・きつくなりそう。こういうメンタルで幸せなのはいっときだけなんじゃないかな。「いい子ちゃん」がとても嫌味な性格。個人的に好きじゃない。このヒロインは。

登場人物の心情とその変化がちゃんと描かれていて読み返しても面白い。

自分を田舎に置き去りにして戦場に逃げた男と一緒になれず、借金のために助けてくれた男と結婚。女心を全く無視して愛人を囲い続けるがそれなりに思いやりのある夫を、昔の男を愛し続けながらも愛する二心のあるヒロイン。母親に反対されて、愛している女を置き去りにして戦場に逃げたくせに、戻ってきたら結婚してた女を取り戻そうとする男。きっと、夫がどーしよーもない野郎なら、逃げた男がヒーローだったはず。どいつもこいつも少しずつおかしいけど、でも人間らしくていい。

クライマックスまで、ドキドキしながら読めした。各々のキャラクターも、しっかりと役割分担されていて、良い作品だと思います。