レビュー一覧

ほのぼのした絵柄で絵本のようでした。コマ割りもわりと大きめで。東日本大震災からの預かり犬アランは黒のラブラドール。作者さんはグレートデンという大型犬を飼っていたこともありご縁となったそうです。ですが、すでに十歳。懐いてくれるだろうか、万が一何かあった場合は……と悩む姿に命への愛情と責任感を感じました。飼い主さんが訪問するたび大喜びだったアランが、あるとき作者さんにピトッとくっついてチラッと飼い主さんの様子を見る場面で「わざとだ！」と作者さんが確信したのに、私もそうだろうと思いましたし同時に犬はとても賢いとも思いました。飼い主さんが帰ってしまうことが分かってしまった。訪れてくれるけど連れて行ってくれないと理解した。愛してくれてるのになんで。八つ当たりのようなアピールは人間の子どもと本当に同じだと思います。最後に、私はこの話は飼い主さんを待ちつつ作者さんと暮らすラブラドールの、ちょっと寂しいけど楽しい犬との話と思って借りたので結末には少し驚いて、そして大変泣きました。飼い主さんと、アランと、そして作者さんに、犬って本当に可愛い、出会いは素晴らしい、漫画という媒体でそれを伝えてくれたことに感謝したいです。

犬が好きな人にはぜひ読んでもらいたい。必ず何かが心に刺さると思います。この本に出会えてよかった。

第1話10ページ目あたりから最後までずっと涙が止まりませんでした。犬好きにもそうでもない人にもいろんな人に読んでほしい名作。

まさかのラスト。エッセイだからこそのリアルさでさみしくなりました。我が家にも保護犬がいます。保護犬の居場所がもっと増えたら良いな…

震災によって飼い主と離れて暮らすアラン。動物とは会話が出来ませんが、アランの不安や寂しさを１つひとつ感じとって、表現する著者の感受性の豊かさに感服します。アランの仕草と行動には訳があったと納得。短いお話しですが、読んだ後に感動、動物と暮らす事について、また震災は人間だけでなく、ペット達にも多大な爪跡を残したと、改めて思い知らされました。満足する内容だと思います。また、著者がこの作品を書き上げ、まもなく逝去されており、アランとの繋がりの深さが、この作品を残してくれ、また読者に語り継がれる事になったと感じずにはいられません。