レビュー一覧

ヒロインに激しい性格の自分ただ1人が悪かった間違っていたと終始独白させることで、作者はヒロインだけを悪者に仕立て上げています。でも皆ヒロインだけに責任を負わせていると思わずにはいられない作品でした。両親はヒロインがいくら反対してもヒーローを里子にしてしまう。娘の気持ちより男の子が欲しいという自分達の気持ちを優先する両親には共感できませんでした。ヒロインに意地悪し必ずヒロインに仕返してきたヒーローも全く悪くないの？ヒーローだってヒロインに優しかったわけでないのです。愛情が自分だけに注がれなくなることを恐れ里子のヒーローに嫉妬したと反省するヒロインですが、子どもなら当たり前の感情です。ヒロインは当時まだ7才。一番親の愛情を必要としている時期に、見知らぬ男の子が突然家にやってくることに不安を感じるのは当然です。勇気を出してヒーローに父親の入院先に行ってくれるよう頼みにいったときも、ヒーローはあざけるような言葉で皮肉を言います。最後はヒロインに愛されたかった苦悩を口にしますが、6歳年上のヒーローがもう少し大人の対応を見せても良かったのではと思いました。作者の意図通りに素直にヒロインだけが悪いと思う読者が多いと思いますが、私はヒロインの気持ちもよくわかり可愛そうに思いました。もちろん最後はハッピーエンドなんですけどね。

ヒロインとヒーローのすれ違いが、こそばゆく歯がゆいです。一見冷静だけどヒロインにいいよる男にガッツリ釘を刺すヒーローが良い！ただ、ヒロインが癇癪もちで少し萎えるので星をひとつマイナス。