レビュー一覧

谷崎さんの商業100冊目！という作品ですが、期待ほど楽しめず残念でした。主人公の職業をとても丁寧に書かれる作家さんという認識があるのですが、作中2つの殺人事件が発生し刑事の過酷な日常を詳細に書いているにもかかわらず、さほど主人公の胡桃が事件解決に寄与しているわけでもなく(捜査の最中にカミルの世話で数回抜け出したり、寝過ごしたりしてるし…)読者の私たちが推理小説的な謎解きを楽しめる設定でもありません。精鋭ぞろいのはずの警視庁捜査一課の同僚(部下)たちがあまり優秀に見えないのもなあ。そしてそこにぶち込んでいるのがヴァンパイヤというまさかのファンタジー。胡桃が仕事に振り回されているためカミルとほとんど一緒に過ごしておらず、彼にだんだん惹かれていくエピソードが弱いこともあって、なんだかカミルと身体を重ねたこと=恋愛感情に繫がってる感じがもったい無いです。もっとカミルの可愛さに絆されたり、心を動かされたり癒やされたりという部分が欲しかったなあ。仕事人間の胡桃がカミルに振り回されることで、だんだんと感情豊かな人間に変わっていくのかと思っていましたが、そうでもないようで…それから甥の美少年朝生。カミルの世話役としてストーリー上必要だったのかもしれませんが、彼の母親(胡桃の異母姉)って登場させる必要あったんでしょうか？幼い頃から疎遠だった美貌で奔放な姉というだけでいいのでは？ページ数はタップリでしたが、ストーリーの本質と関係ない部分に割かれている部分も多くて、全体的にとっ散らかった詰め込みすぎの印象でした。タイトルとストーリーの関連性もわかりにくいし、表紙の金髪はカミルじゃないですよね？ベネディクトか？あとカミルは今のまま(30前後？)歳をとらないですよね。ヴァンパイヤとの恋愛のお約束「ずっと一緒に居てやることは出来ないが、俺の寿命が尽きるまでは愛していくから…」「お前は年取ってジジイになる俺でもいいのか？」的な胡桃の切ない決意も聞きたかったです。…といろいろ辛口ですみません。

『その愛に終わりはあるか』が面白そうだったのですが、内容紹介に『ダークホースの罠』のスピンオフ作品とあったのでこちらも購入しました。1100ポイントは超高額！でも、文章が上手く刑事ものとして楽しめました。頼りない上司と問題ありの部下たち、初めて会った甥っ子に迷子の外国人……そんな彼らに散々苦労させられて奮闘している胡桃が、とても気の毒であり、とてもカッコいいです。ただ、殺人事件の捜査と問題ありのキャラたちだけでストーリーができているので、ここにファンタジー要素を入れる必要があったのかなと。ヴァンパイアのカミルに共感できず、胡桃にはもっと安心して安らげる人と幸せになって欲しいと思ってしまいました。

チケ高っ！！と躊躇しますが、ページ数が1000超えなので、上下巻が一冊にまとまったと思えば納得。上司とヤクザとの20年来の付き合いの話が読みたいです！

凄く読み応えがありました。かなりもどかしい2人でしたが、最後はめでたしでめでたしからのもう少しイチャイチャが読みたかったけど胡桃の性格上難しいのかなぁと、笑。スピンオフの南野さん達はもう少しイチャイチャを期待してます。朝生くんのストーリーやベネディクトのストーリーもスピンオフで読めると嬉しいなぁ。

ページ数が多くてとても読みごたえがありました。受けのカミルがヴァンパイアということで、特殊な設定ではありましたが、とても涙もろくて可愛く、世間知らずでほっとけなくて、攻めは警視庁でとにかく忙しくしてるのに、ついついカミルを助けに行っちゃって、ドツボにはまっていってるのがおもしろかった。最終的にはハピエンだけど、イチャイチャしたのがもう少しみたかったな。90%くらいは事件を追っているので、甘いのが足りなかったです。半分以上動き制限されてたし、相愛になったあとのストーリー入れてほしい。出たら読みたい。

胡桃とカミルに朝生の３人のチームワーク、大好きです。カミルが、とにかく可愛い。あー、また、3人に、会いたいです。是非、その後の３人の続編をよろしくお願い致します！

読み応えがあって良かったです。でも偶然人間を拾うなんてできすぎな気がします。

読後の感想……な、な、長かったー(笑)内容は刑事モノで、フツーに面白いです。胡桃さん、超カッコいいです。ただ、結局甥っこの存在って必要だったのかなーとか、寿命の差とかはどうするのかなーとか。安定感のある読み応えだけど、ドキドキ感はなかったかな(笑)