レビュー一覧

ただ上手いというより、その先にある迫力。宇喜多直家といえばその強さと共に、身近な人をも信じず、非道な裏切りのエピソードがついて回る恐ろしい武将のイメージでしたが、美貌と相まって妥協のない冷徹さを浮き彫りにする描写です。ただBLという点から見ると、濡れ場であってもあまり色気を感じません。主従の愛、父子の愛、家族愛の印象が強すぎるのかも。戦国武将たちの、まさに日々刃の上を歩いているような緊張感が伝わってくる、読んで後悔のない作品だと思います。歴史映画を丸々観たような読み応えがありました。

歴史物が好きでよくレンタルします。宇喜多氏は名前しか知らず、どんな武将だったかな？と興味津々でポチりました。これは短編集ですね、もっと長編かと思って期待していたのですが、話が割と淡々と進んで終わってしまいます。歴史物とBLの組み合わせはあまり受けがよろしくないと、あとがきで作者さんがおっしゃっていましたが、そんなことはないと思いますね。男性誌掲載だったようで、華やかな絵柄ではなく、古いというか無骨というか、質実剛健？でも私はこういうテイスト結構好きです。他の作品も読んでみたいな。

直家シリーズですね！歴史ものBLって、江戸時代舞台のものはあっても、一番ありそうな戦国時代がないですよね？読者が女性だからでしょうか？備前だけといわずに、戦国BLがんばってください。

大竹直子さん、自分の世界を持っている作家さんですよね。私は陸軍のお話しのイメージが強かったので、この宇喜多のシリーズを見つけた時は震えました。清三郎の拷問シーンはおまけのご褒美ですね！(チガウw敵を欺くための作戦や)子と知りながら刺客に送る直家さまの非情(ここは躊躇いなく命令してもいい所かとも思いますが、家臣には情のある殿様だった説もありますよね)我が子のために自ら首を差し出す父。父の首を持って血まみれで殿の元へ走る清三郎。全てに激烈な美しさが有ります。

戦国時代は男色が割りと当たり前だったと聞きますが、あまりこの時代の作品が無かったので興味を持ちました。作者が歴史についてとても勉強されてるのが伝わってきました。それと絵がすごく好みです。現代のBLを描くより、歴史BLがとても合っていると思います。他の宇喜多直家シリーズも読んでみようと思います。

大竹さんの描く絵は色っぽいですよね〜。史実に沿って丁寧に作られている作品だと思います。女性も男性も綺麗だわ。ホントはもちょっと濡れ場があるとなお良しなんですけど。。。稚児、寵童という絵にピッタリ。今度は天草四郎時貞かなんかのお話描いてくれるとイイなぁ。とかなり自分勝手な感想です。

この時代で、毒殺による暗殺というとボルジア家などヨーロッパ！な印象でしたが、日本でもいたのね。宇喜多は名前くらいしか知らなかった為、関心を向ける契機になりました。　台詞を写植、、フォントにしてたら★５つ。

この様な作品は残ってゆくんだろうなと思うほど緻密で、日本画を見ている様な作品でした。セリフの数々とそのやり取りから感じるキャラの性格はとても魅力的で、そこに作者の絵の見事さ。古いと感じてしまうのはもったいない、もの凄い作品です。

本当に絵が綺麗です。それだけに、ここにもう少し人の裏側のどろどろが加われば、と思います。

今流行りのイラストではないですが、着物の繊細さなどはこのイラストじゃないと安っぽくなりそうで表現できないだろうなと。頭に残って離れないようなシーンがたくさんあって、お話もまさに愛憎渦巻いており強烈でした。作者がとても調べて描いている史実を元にしたフィクションですが、本当にあった物語のようでした。なかなかお目にかかれないBLです。