レビュー一覧

この作者さんの描く若者や高校生の雰囲気が好きで作品も全て読んでいますが、今回のようなテーマは少し難しかったかもしれません。難しいというか、作者さんの良さがこの話では活かせていないと感じました。ネタバレになってしまうのであれですが、こういったお話を描くにしては全体的にセリフも浅いし、病んでる部分や悲壮感(本人は表面に出さないように生活していたとしても、何かしらにじみ出るようなもの)が足りないと思いました。お互いが惹かれ合うに至ったエピソードや描写も浅いし、「対価」としての身体の関係という部分ももっとドロドロに掘り下げないと心に迫るものがないです。ラストの持っていきかたも肩すかしというか、つっこみどころがあるというか...。BLにそこまでリアリティは求めませんが、ほんとに漫画っぽいなぁと。テーマは重いはずなのにさらっと読めてしまって、上下巻にするほどの内容も意味も感じられませんでした。同じテーマのお話を他の作家さんが描いたら、それこそ全く違って名作になったのかもしれません。市川けいさんの魅力はもう少し違う方向にあるのでは？と思います。これからの期待と応援の意味も込めて、厳しめのレビューです。すみません。

あらゆる恩恵の対価として身体を差し出すことに何の疑問も抱けない環境に育った蓮が、陽歩との他愛無い日常で「普通」を知っていく上巻。お互いの気づきと、蓮を縛る環境からの解放と別離、そしてハッピーエンドの芽生えの下巻。とにかく終始ヒリヒリ痛い作品です。結ばれれば嬉しいはずなのに、気持ちが通じ合ってるのに、優しく抱き合ってるのに、こんなに痛々しいセックスはないな。最後の陽歩のモノローグは秀逸で、ここだけ読んでも二人がわかる。何度も読み返しました。どこまでも切ないですが、ただねー、戻ってきた蓮の顔はとても胸に迫るものがあります。エピローグは社長との出会いなんていうどうでもいい話で正直がっかりでしたけど、冷静になればこれに後日談入れるのも無粋かって思わせる蓮の最後の表情です。いつもの作者さんの感じよりずっとシリアスですが、あぁこう描けばこうなるんだなぁっていう感動もあります。

なんか重過ぎて…いつものドタバタ恋愛ものが好きなので。

市川先生の作品大好きで全作品読んでるので、この作品も配信を心待ちにしてたんです。が、これはナイ。さすがにいろいろあり得ない。蓮くんの背景にあるものが盛り盛りな分、どこかにリアリティというか読者を納得させる何かが必要だと思うのですが、最後まで“ムリあるなー”と思いながら読んでしまいました。あと、今回は登場人物に魅力が感じられなかったのも残念。腐女子の社長さんのゲイ差別的な発言が気になって気になって…。七五三さんもイマイチ何がしたかったのか中途半端。人間らしいといえばそうなのかもしれないけれど、結果的に振り回されている蓮くんがただただかわいそうでした。そして、こういう重めの設定でしかも上下巻使ってお話を進めるのなら最後はやっぱり甘々ラブラブな後日談をドカッと投下していただきたかったです！！大好きな先生の作品だからこその辛口です。※修正は白抜き。

上下巻セットを購入しました。そりゃそうでしょうが。売り方が謎。オカン系アラサーとなにもしらないワケアリDKの刷り込み的不思議な隣人愛。おもしろかったです、ヲーターの瞬間はすきなシーンだし、ほっぺモコモコでごはん食べるとかめっちゃ萌えるし。でもコレで終わりかーいってなる。アレだけのことがあったのにコレで締めちゃうんですか、、まるで小説を読んでるかのように淡々とモノローグで事後報告でした。市川さんが描きたかったことはソコじゃなかったんでしょうが、もうちょっと読みたかった。「終わっちゃった、、」に追い討ちをかけるのがエピローグのそんなの割りとどーでもいい感。。

ストーリー設定も受けの子のキャラクターも良かったのに攻めが全てを台無しにしている。速攻で通報もの案件な受けの境遇を聞いても最後まで自分で通報保護するわけでも無く、そんな境遇の高校生に手を出しておいてラストでも好きだったのかわからないとぬかし、6年会わない間健気に待ってるならまだしも普通に2人彼女を作っててでもやっぱり受け君に会いたいとか煮え切らないにもほどがあるし都合良すぎ…リアルっちゃリアルかもしれませんが、あまりにも攻めに魅力を感じられなかった。あとラストの展開も拍子抜け。エピローグは何故社長との出会いでしかもコミケ風イベントネタなのか誰が喜ぶのこのエピローグ。市川けいさんでここまで買って失敗した感を味わうとは思いませんでした。途中までは良かったのになぁ…

よかったーー！配信待ってた～！！でも、欲を言えばあと1話プラスして抱きしめてるシーンくらい欲しかった～！！！

市川けいさんじゃなかったらぶっ飛ばしてたョ。BL=ファンタジーって言い聞かせて我慢して読んでたけど、この陽歩さんって大人として最低だと思う。まず保護、保護だろう本人の意思関係なく!事情聞いた時点で速攻保護しろよ。それが大人が取るべき最低レベルの責任ではないのか。とマジ意見ですみません。保護した後に始まる恋愛話だったら良かったのに。重い設定と陽歩の最低判断力をのぞけば恋愛部分はとても可愛いかった。だがしかし、市川さんでも殴りたくなる「本人が嫌じゃないのなら」はどうかと思う。陽歩がどんなに優しいやつ設定でも、最後まで好きにはなれませんでした。

作者買いです。毎回主人公、恋人のみならず、その友人たちなど、魅力的なキャラクターを描かれるので、好きな作者さんなのですが、今回も、登場人物はとても魅力的だったし、設定も面白かったのですが、、、最後のまとめが設定を生かしきれてない感じがして残念でした。最後の方、突然犯罪になってて、その急展開についていけなかったし、お金くれてた人はいい人だったけど、お金持ってくる人が犯罪者だった??っていうのも、よくわかりにくかったし、蓮くん以外にも被害者とか、その秘書蓮くん以外どう丸め込んでたの？仕事してんの？ってつっこみたかったし、6年後に飛ぶし、その間主人公は彼女2人も作るし、2年も交際続けば長続きしてるわってつっこみたかったし、結局二人は何の関係？って不明のまま、犯罪行為のみ見せられて、受けの子不憫...っていう、なんの救いも、甘さもなく、、、で！？結局どうなったの！？っていう終わり方だったので、なんともいえない気持ちになりました。。内容が物悲しかった分、最後は攻めに救われて、存分に甘やかされて幸せな受けちゃんを見たかったです。

作者買いでしたが、この作家さんに期待していた前作までの丁寧な心理描写や空気感が殆ど無く、センセーショナルな題材だけが押し出されているような感じを受けました。主人公が相手に何故惹かれたかという点も掘り下げられておらず、かなり唐突な印象を否めません。読後感もスッキリとしないもので、問題提起だけを目的としたようなストーリーが残念でした。