レビュー一覧

不思議な雰囲気があります。独特なので、好みが分かれてしまうかとは思いますが　サンプルで好みであればきっと好きだと思います。　たとえば小説の行間を読んだり想像したり、というのが好きな方はとてもハマると思います。はっきりと描かれてはいない感情が波のように迫ってきます。

幻想的な雰囲気を持つファンタジー。ふんわりとして柔らかい絵の雰囲気がファンタジーの要素を持つストーリーととても良くマッチしている。猫がその雰囲気づくりに貢献している。ただ深みのあるストーリーかというとそれほどでもない。さらっと雰囲気を楽しむ作品。

母親が海で高波にさらわれて亡くなるところを目撃してしまった凛々。ショックのあまり口がきけなくなります。心を閉ざしてしまった凛々を持て余した父親は、亡妻ゆりかの双子の姉妹のばらに凛々を託すことに…。のばらの心の闇をゆりかが払い、凛々の罪悪感をのばらが癒す。タイトル通り、ゆりかと凛々とのばらの物語です。ただのばらの葛藤は頭では理解できるのですが、共感はできなくて残念でした。

絵が綺麗で読みだしたのですが、のばらが怖い。双子だからではなく、のばらが病的でひたすら嫌悪感を感じました。

主人公の考え方があまり共感できず星４つにしました。ストーリーはおもしろいのですが、それ以上にこんなお家に住んでみたいなぁ。という方に目がいってしまいました。

絵がふんわりと美しく、こんな家に住んでみたいと思わせる。ストーリーは再生の物語なのだけど、その裏にあるいくつもの死が切ない。のばらさんの振る舞いが未熟で共感しづらいところもあるのだが、考えてみれば彼女も両親をいっぺんに亡くしていて、それをずっと引きずっていたわけで、何が起こったか、それが自分にどんな影響を与えたかを彼女自身が理解するまでにそれだけ多くの時間が必要だったということなのだろう。ふんわりとした絵だけを見ていると、ロマンティックなストーリーに彩りを添えるだけの「死」と思ってしまうが、最後まで読むと納得する。