レビュー一覧

作者買いです。久しぶりのこの感じ！二つのお話。前半は子供時代の友人しろうくんとゆうちゃんの再会する話、後半はゆうちゃんと兄弟のように暮らしていた閉所恐怖症の稜と、不思議な力を持つという小説家イブさんの話。ラブ度は低めですが、独特のこの世界観がたまらない！初めぼんやり読んだら所々ストーリーが掴み切れなかったんですけど、じっくり読み直してみると、不思議な言葉のやり取りでパズルを完成させていくような楽しさ。もう一度読んでみたくなる不思議な読後感です。

BLにエロと分かりやすさだけを求めてる人は低評価になりそうだけど私はめちゃくちゃ好きです。伏線がたくさん張ってあって、読み返して気づけることもある。ゆうちゃんが大人になった今でもリンゴジュースを飲んでたりキャッチボールが好きだったり小さな萌えが散りばめられていて読むたびにニヤニヤしちゃう。価値のある一冊でした。

草間さんが、本当に心の底から好きです。この本も面白かったです。でもやっぱり、星は４で。理由は一重に好みの問題です。草間さんの何が好きって、ものすごく一途で純情だけど包容力のあるワンコ攻めが好きなんですが、今回は登場人物がそれぞれ皆いろいろなものを抱えていて、ある意味、何も抱えてないまっさらな人は主要人物ではない南君だけだったので（汗）ということで、お話は面白かったですが☆４です。ちなみにしろうくんがキスではなくてフェ○をされていた、しかも幼くてその意味も分からない年齢でということなので、みんな死んでしまっていて謎は明かされませんが、私はゆうちゃんがされていたのは連れまわしだけではないもっと悲しいこと、忘れた方が幸せだと思わせるほどの深い闇なんだろうなって感じました。読者の側に対しても、全てが明かされない方が幸せなお話なのかもしれないなあなんて思いました。

久々の草間さかえ先生の作品。先生の作品は、一読では内容が全て理解できないことが多いけど、何度も読んでそういう事だったのかと気付いていくのが面白い。この話も面白かった。

久しぶりに草間先生のお話を読みました。やはり、日本の空気が感じられてすごく好きです。「お話」に、現実と非現実がちょうど良い割合で混ざっていて、これが創作なんだなあと思います。子供の頃の体験がもとで、社会生活を営むのに支障が出ているのに、それ自体を障害とせず、むしろ自分の利点として活用している様子が面白かったです。

不思議なお話。一度読んだだけだとよくわからない部分も多いし、でも伏線が回収されてないというよりは読み手の想像力をフル稼働して楽しむのも良いと思える作品でした。読めば読むほど味が出るスルメ作品かと。

草間先生の雰囲気が大好きです。ただこの話は分かりにくかったかな。

作者買いです。でも今回の作品は何度読んでも掴めない。多分、今後何度読んでも見えてこない気がする、この作品。楽しみにしていたので、少し残念。

作者買いです。なんというか、かなりわかりにくい内容です。人物もですが、思考がリンクしすぎていて判別しにくい。 、です。ワザとなのかもしれないけれど、もう少し理解しやすい方が読みやすい。

面白いけど、私にはセンスオブワンダーの解答編ありき。「みえない友達」は言い方ヘンだけども初読殺しに近い。唐突なセリフが置き石みたいにポンポン、とあって、繋ぎ（回想シーンや俯瞰モノローグ）が足りず、道筋は読者の自助努力に寄りかかる。結果面白かろうと滑らかに導けていないのは確か。あと、キスじゃなく○ェラをされたという唐突告白で、当時それが（父親と）当たり前だったろう児童の暗黒部分がほのめかされ、終盤近くで一気にダウナー。ここで単行本だとワンゲル部へ続き、それがホントに救い。雑誌読者ならどうしてたろう。反動でウキウキするけどリョウとイブの話は大好き。なので「みえない友達」もまあ…必要なプロセスなんだよな。と、今回改めて読んでみると、一読で放っておいた細部が不思議によく見えた。再読前提のパズルのよう。でもゆうとたちの私への刻みはやっぱり薄い。