レビュー一覧

『ニライカナイ』シリーズ二作目。切ないファンタジーですが、ラスト収拾のつけ方が駆け足に感じられ、残念。清貴は地獄で200年生きることに…という重い引きから、僅か3ページで清貴が人間界に戻ってくるのは…もう少し地獄での清貴の苦労を描いてくれた方が、彼の鉈弦への想いや覚悟に説得力が増した気がします。しかしその後の、地獄と人間界との間で遠距離恋愛する二人のエピソードは微笑ましくて良かったです。斑目ヒロさんの美しい挿絵も相まって、シリアスともコミカルともつかない不思議な空気感に魅力のある作品です。

二作目ですが、先のカップルが気になって読みました。叔父さんが主人公でしたが、こちらの方がより深刻でした。現世ではとても生活出来そうにない相手だったので、結末が気になりながら読みました。それにしても、次第に地獄の沙汰が人情的になってる様な気がします(笑)

三部作の二作目、不思議なちからを持つ父、息子、甥のうち、息子が主役の話です。前作の甥の話を先に読むとさらに楽しめると思います。