レビュー一覧

そらとびたましいから、こちらを続けて購入しました。相変わらずの濃厚な世界観に引き込まれそれを現す語彙がなかなか見つかりません。漫画の粋を越えた表現力でしょうか。目が離せません。

少し読み手を選びそうな話だけれど、グロテスクでもどこか懐かしいような不思議な話が詰まっています。やはりウムヴェルトがお薦め。他の生物から造り上げた人の形の兵器というのがどうしても倫理的に落ち着かない気持ちにさせますが、そこが作者の狙いなのかなとも思います。

この作者さんの世界観は大好きです。繊細過ぎないタッチとある意味野性的な絵柄が印象的で嫌味なく読めます。

『ディザインズ』の原型となる読み切り『ウムヴェルト』があるというので読んでみました。『ウムヴェルト』は『ディザインズ』の前日譚のようでカエル娘が逃げて捕まえられるエピソードを描いています。マッドサイエンティストのオクダも登場して「キミは解剖に回さなくても済みそうだよ」なんて言ってます。好青年ぽいルックスで言ってるところが怖いですね。『ウムヴェルト』の他にも現代を舞台にしたファンタジー／ＳＦが全１０編あります。どの作品も良作だと思いました。

ディザインズの原点？生き物の持つ世界は主体と客体で世界観が違う。人は自分の世界観で自然を見過ぎていると思う。

カエルの女の子の話は、キモ可愛い？摩訶不思議な話ばかりで、まとまりはないけど、好きな作家さんなので、買って後悔はないです。

都市伝説的なちょっぴり不思議な話が多めの短編集。最後に収録されていた表題作がいちばん面白かった。カエルになりたいなと思ってしまった。

「… ほんたうにもう、どうしてもこんなことがあるやうでしかたない」宮沢賢治のこの言葉がズバーンと蘇った。特に「鬼、来襲」と「よかったね雨男」が怖くなくて楽しい。「ダンコンダラスコ」だけ訳わからないけど他作品とシンクロしてるのかな。ラストの「ウムヴェルト」は「ディザインズ」読む人はその前でも後でもいいから読んだ方がいいです。

独特の世界観で楽しめました。マンガだからこそできるストーリーに、読んだ後不思議な気分になりました。別の作品も読みたいです。

細かなとこまで描く繊細な画力と謎めいてて気味の悪いような魅惑的なストーリーが面白いです。