レビュー一覧

以前にコミック版を購入して気に入ったので改めて文庫本で原作を読んでみたのですが、描写の細部でもやもやしています。最初に出版された当時はパソコンもＣＤも普及していなかったはず。翻訳のせいでしょうか？本来は無風状態のはずの台風の目を過剰に恐れたり、着物姿＝ゲイシャという発想、嵐が過ぎた後のガラスが散乱する場所でヒロインが片付けもせず、文明的な料理とやらに取り組むのも変。（安全にこだわるヒーローと対照的）自分が潔白ならば小細工せずに正々堂々とヒーローと対峙して欲しかったです。自分が犯人でもないのに罪を償うのは理不尽。愛という見返りを期待していたからなのでしょうか？ヒロインよりヒーローに圧倒的に同情を覚えます。愛と憎しみに翻弄されたヒーローが、ちゃんと真実を見抜いて声をかける場面は良かったです。真犯人はおとがめなしなのでしょうか？そこが最大のもやもやでした。

おもしろいとは思います。ヒーローが怖すぎて、ハラハラするし、ヒーロー不幸過ぎて気の毒だし。事件の後の裁判でヒロインが槍玉にあげられて、実行犯が罪に問われ無かったのが、信じられない。そこでちゃんとした上で、やっぱりヒロインも手渡したと言う事に対して罪悪感を感じてやって来た、という形の方が受け入れ易い気がしました。