レビュー一覧

ずっと大好きな漫画家さんなのですが、今までとは少し趣の違う作品でした。それでも独特の「塀内節」も健在で、昔からのファンも十分に楽しめるのではないかと。

塀内さんが、こんな作品を描いてらっしゃったとは知らなかった！！　それも電子書籍で！とてもいい意味で裏切られた気持ちです。webだからこその、描き切った感、伝わってきました。児童虐待の作品もいろいろ読みましたが、こんなに深く突き刺さったのは初めてです。これからもたくさんこういうお話作ってください！

一巻だけを読んだときは、サスペンスだけの要素が強い感じを受けたのですが、二巻三巻と読み進めると、心が苦しくなってきた。主人公の男の子が、心から信頼し愛情を持てる友人を得られたのが救いというか…彼のお兄さんのことを責められるのかどうかとも思ってしまった。虐待を受け続け、人を殺すことで自分は強くなったと思う兄。それが快楽になっていった。そうすることで、心の奥底の絶望や怒りや虚無感・罪悪感を守り、気が狂うことを阻止しているように感じられた。それが生きるための目的で、自分が生きてきた証しになる。そういうことは否定できることではない。異常な状況と人間に囲まれて育った、彼らの母親もそう、もしかするとその前の世代も。最後に、主人公が絵を趣味として描いていたが、公の場で描けるようになるよう願ってしまった。漫画の話なのに。

重い社会派サスペンス漫画である。家庭内暴力や幼児虐待 そして残虐な犯罪 と暗い内容が並んでいる。明るいスポ根漫画を得意としヒットを飛ばしてきた作者が、一転作風の変更を狙って描いた作品であろうと思う。ストーリー内容はそれなりに成功していると思うが、明るいくっきりとした画風と暗いテーマがどうにもマッチしていない。

このお話、重いですけれど、読んでよかったなあ。もっと早く読めばよかった。兄弟の関係、親子の関係、考えさせられるものばかりでした。

1、2巻無料で読めて、最終巻が気になったのでレンタル。ストーリー的にはよくあるパターンかと思うが、心理描写、表現、社会問題も含んで興味深く読めた。

社会の歪み。恐いの感じより、哀しい。明るい未来がありますように。と、願ってしまいます。

スポーツ漫画で有名な先生ですが、スポーツ漫画でありながら魅力ある人物を描いてる技量が、活かされています。心が痛くなるような展開にも、最後は希望が感じられる終わり方で良かったです。

温かみのある絵柄に好感を持てます。それなのに、予想外のシリアス社会派サスペンスなのでびっくりしました！闇の深さにたじろぎます……。とても読み応えがあったのですが、みずきちゃんがもう少し可愛いと良かったです。そこが惜しいので、★ひとつを引きました。

びっくりしました。この作者の作品は好きでよく読んでいるのですが、基本はさわやかなスポーツもののはず。しかしこの作品は、かなりイメージが違います。面白かったです。