レビュー一覧

榎田さんの初期作品の改訂＋書き下ろしの新訂版。絵師も寿たらこさんから黒井つむじさんに変更。スマホやLINEでのやり取りなど昨今の高校生の日常に合わせてあちらこちらに手を入れていますが、青少年たちの瑞々しさと愛すべきアホさはそのまま。榎田さんらしいユーモア溢れる言葉のやりとりが読んでいて楽しいです。舞台は学園祭を控えた男子校。硬派で強面（実は無口で無表情なだけ）原のクラスにイギリスにバレエ留学していたという見目麗しい転校生（櫛形 AKA王子）がやってきて、なんだかんだのうちにクラスの演し物として「男だけのバレエ」をやることになるのですが（『ウォーターボーイズ』バレエ版ですね）麗しい外見と裏腹に口が悪い櫛形、硬派で漢らしい外見ながらも中身は恋する乙メンな原、委員長として精神的に大人でリーダーシップを常に発揮しながらも父親からのプレッシャーに苦しんでいるタカアキ、バカで乱暴だけど可愛いところのある双子ロクッパチ…キャラクターが非常に生き生き描かれています。そして旧版には無かった「10年後」の書き下ろし…これは高校時代がラブコメだったのにちょっとシリアス展開になっていますので、両方読んだ方にとっては「10年後は無いままで良かったのに」と感じるかもしれません。でも私は榎田さんのギミックに上手く乗せられてしまって「え？え？こういう展開になっちゃうの？」とちょっとハラハラさせられてしまったので、とても楽しく改訂版を読むことが出来ました。ただ惜しむべきはお値段…！「なんでこんなに高い？」と私のように購入を躊躇ってしまう方も多いでしょう。榎田さんの『Threesome』『Erotica』『夏の塩・夏の子供』などなど、そして他の作者さんの作品もそうですが、紙本で大判・単行本・豪華装丁版で値段が高いのは当然ですが、その恩恵に全くあずかれない電子版で同じ値段というのはどうしても納得出来ません。昨今よくある帯や表紙裏、挟み込んであるペーパーに“オマケ”が付いているのも電子書籍ではほどんど付いていないし…（この作品も表紙裏にSSがあるそうです。読みたかった…涙）出版社並びに電子書籍ストアの皆様が今後、考慮して下さることを願っています。

楽しいお話しでした。が最後、すこーし駆け足ぎみだったので、星4つ。それにしても…ちょっとお高いです。

作家買いです。作者の過去作品の新装版で過去２作品、残念な思いをしていたのですが、これはすごく良かった！大幅修正したとありますが、会話の言葉選び、テンポがとても良く、近年の作品に近い良さが感じられました。主人公たちは高校生男子。学祭、青春です。書き下ろしで彼らの１０年後を。一冊できっちりとまとまった感が感じられ、楽しく読み切りました。裏表紙のラインでの会話も気に入ってます。

昔の作品の再録らしいですね。内容は普通に面白くてよかったです。が、榎田尤利の作品だともっと面白いものがあるだけに普通というのはむしろ低評価なのかもしれません。内容に対して値段が高いのもマイナスポイントでした。これでせめて900円前後だったら…と思わなくありません。私は紙媒体で買ってしまいましたが後悔しています。分厚いので、もうちょっと待ってRentaで買えばよかった・・・と思いました。

久しぶりに読みたくなって再読しちゃいました。榎田さん、最近ちっともBL書いてくれなくて寂しいですね…。といってもこれもBL描写はあまり強くないんですけど。攻めの一人称は珍しいので、楽しく読みました。ハラセンとか昭和っぽいあだ名も好き。コミカルで切なくて、今読んでも良作です。おすすめ！

高校生ものは、青くて硬い果実みたいでなんとなく敬遠してたのですが、読みはじめたらあっと言う間に読んでしまいました。美少年ものは飽きていたのですが、毒舌の美少年でおもしろかったです。攻めが妙に高校生のくせにおっさんな所もよかった。

私自身が元々バレエ好きなのもあり、とても楽しく読ませていただきました！榎田先生の持ち味である読みやすい文章やユーモアが、バレエという一般的にはとっつきにくい題材とBLを上手く融和させていました。キャラクターがとにかく個性的で魅力に溢れています。高校生ならではの瑞々しさで、青春小説としても素晴らしいです。特に序盤の主人公二人の出会い(一目惚れのシーン)が大好きです。王子のダンサーとしての苦悩と葛藤に、こちらも胸が痛くなりました。とにかく登場人物全員の幸せを祈りたくなる作品です。

評価下げてすみません。榎田先生の作品は大好きなのですが、これはイマイチ。男子高校生同士の話題があっちこっちへいくような会話が、「ほら、自然でしょ、面白いでしょ〜」と押し付けられているようで、少し暑苦しかった。というかオジサンくさいような。もう少しセリフをシンプルにしても良かったのでは…。直前に素晴らしいバレエものの作品を読んだばかりだったのが大きいのか、あまりバレエについて調べないまま書かれてしまったのではと感じました。あと、なによりも高い！正直買ってしまって後悔してます…。攻めの男らしさは良かったです。受けのツンデレ感はステレオタイプで新鮮味ゼロです。

榎田さんにしてはかなりエロ少な目の作品だと思います。でも話の面白さ、テンポの良さは流石です。でも、何でこんなに高いのでしょうか？13チケは高すぎる！

読み応えのある一冊でした！王子の成長と、それを見守る原が素敵でした。青春映画を一本見終わったかのような充実したラストだと思います。脇キャラも良い！一番最後描き下ろしは、読みはじめはこの話、蛇足！と思いましたが、読んでる途中で「あ、これ新郎は別の人のだわ」と確信し、安心して読めましたｗ二人はこれからも遠距離かと思うと思うことはあるけど、原なら大丈夫かな。でも１０年も付き合ってるのに王子の独り善がりで別れちゃうのはどうなの(^-^;