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ナポレオン ―獅子の時代―
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2025-05-05
ナポレオン獅子の時代、から総計42巻、あっという間の一気読みでした。フランス革命からナポレオンの時代が終わるまで、史実を踏まえフィクションも織り交ぜながら伝えてくれます。ところどころ大陸軍戦報という読み物がところどころあり、巻末にもコラムがあるのでフィクションも解説があるので学習にもなります。登場人物がまたひとクセもふたクセもある人たちばかり。これもフランス革命時代の生んだ名優、なのか。陰謀と工作の天才フーシェ、政治を操りフランス革命から7月革命まで生きたタレイラン、狂気の殺戮マシーンの独裁者ロベスピエール、ロベスピエールを支えた死の天使長サンジェスト、暗殺の天使シャルロットコルデー、サディズムの言葉を生んだ、これまた狂気のサド侯爵・・・じゅうぶん歴史物語の主役になれる人たちが、ナポレオンの脇役としてストーリーを盛り上げてくれました。さらに、これまたクセのある将軍、元帥たちも賑やかに描かに活躍しています。著者を通じてのそれぞれの性格も伝わってきました。もちろん、ナポレオンの行動、生き様を盛りだくさんで展開してますが、単なる賞賛でなく、いいところも悪いところもよく描けていると思います。先述のコラム大陸軍報では、ボナパルト主義は大きな遺産だがこのインチキが第二帝政（ナポレオン三世の政権）を生んだと一刀両断。混沌とした革命の時代のヨーロッパに対する考察も読みどころです。登場人物の中では、架空のキャラクターであるビクトル伍長がいい味を出していました。ネイやダヴーといった歴史に名を遺した元帥たちを差しおいて一押しのキャラです。獅子の時代と覇道進撃を通しで読むのがおすすめ。
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フランス革命戦争について調べている時に、某雑誌のweb記事で「大陸ヨーロッパの多くの会戦の模様が図解入りで物語となっているが、よく研究されているうえに文章によるかなり長いコラムも付され、史実描写の信頼度を上げている。フランス革命の細部に及ぶ描写は、どのような研究書や専門書、あるいは啓蒙書も本作にかなわないだろう。優れた漫画だけが可能にした表現だ。」と絶賛されていたので読んでみました。日本史専攻の私でもわかりやすく骨太で大変面白い。レンタさんレンタルにしてくれてありがとう。