レビュー一覧

王道なこれぞオメガバース、みたいなお話でした。でも、最後にちょっとあったアルファ視点のお話を読むと、よくある王者の風格傲慢アルファって感じでなく、なんかちょっと健気なワンコっぽくってすごく和みました。視点はずっとオメガですが、最後に健気なアルファの想いが通じてよかったーと思えたハッピーエンドで、安心して読めるお話でした。あとは…もう少しくっついた後のラブラブみたかったなー

ｵﾒｶﾞﾊﾞｰｽものという事で期待して買いましたが、ｽﾄｰﾘｰ的にも、気持ちの流れ的にも、とにかくすべてが微妙な感じ。好きな方はたくさんいると思いますが、個人的には今回もちょっと勿体なかったかな、と感じてしまいました。

オメガバースと言うことで興味を持ちました。割とありがちな感じでしょうか。でもメイン2人が健気な感じはとても好きでした。受けの心理が丁寧に描かれていました。最後の結ばれる所あたりが少し急展開で、もう少しねっとり書いていただいても、と思いました。長年の一方通行の末と言うこと、ページ数もあるのでもしや家族としての未来を期待してしまったのですが、何でしょうか、間延び感が少しありました。

数少ないオメガバースの小説のほとんどを読みましたが、この作品が一番萌えました！設定もきっちりしているし、安心して読み進められました。

流行りですよね、オメガバース…。それを、この作者さんはどう調理するのかと期待…しーすーぎーたー。うーん、思ったより普通…。もっと面白く作りそうな作者さんなんだけどなぁ…

出てきた当初はトンデモ設定だったオメガバースも、すっかり定着して各作家さんたちが色々工夫を凝らしていますが、この作品も「番（一時的な相手）と伴侶（生涯のパートナー）」「Ω性に変化」「女αx男ΩのCPで男が妊娠」とちょっと他とは違う部分が興味深かったです。Ωとして思春期前にヒートを迎えてしまった主人公の智宏を通して、Ωの収容施設とそこで暮らすΩたちのそれぞれの苦悩と葛藤が、オメガ性を持ってしまった生き辛い人生への理解を深めてくれました。多くのオメガバースが「理性では抑えきれない本能によって半ば強引に結ばれる」のがデフォとなっていますが、この作品では両片想いでありながら結ばれるまで10余年… 恒星を求めていながらも一生一人で生きると頑に抑制剤を飲み続ける智宏と、高校の入学式で出逢った時から智宏こそ自分の伴侶だと確信していながら、彼の側で見守り共に生きるために本能と欲望を抑え込んで、ただただ親友＆仕事のパートナーとして智宏を支えようとする恒星。何という奴隷体質…いや忍耐強さ！こんなαはなかなか居ませんって！デカワンコ（というより狼？）さながら「褒めていいぜ」とスリスリしたり、さり気なく智宏の好きなスイーツを貢いだりと何とも懐が深いイイ漢でした。

受けがヒートになった理由、ちゃんとあったんですね。でも、それくらいでヒートにってある意味怖いですね。9歳の受けの恐怖が家族の戸惑いが悲しいですね。でもそれを上回る幸せを攻めが理性を保って受けを優しく支えていたのが嬉しいです。

オメガバースですが、受けがナヨナヨしてないのがよかった！途中、物語の盛り上げのためにアクション？のようなものがあって、そこで？？？ってなりましたが、全体のストーリーとしては綺麗にまとまったな、という印象。

9歳という異例の早さで発情期を迎えΩに変転した智宏は高校時代、αの恒星とつがいにならず親友として一緒にいた。高校3年の時、ずっと一緒にいたいと願いながらこのままじゃそばにいられないと離れてしまった恒星。社会人になって再会し、発情を抑える抑制剤を処方してもらえず9歳の時以来のヒートを経験することとなり..面白かった！えっちはそんなにないのに、そんなものはいらないと思わせる2人のきゅんきゅん切ない関係に脱帽です。抑制剤を飲んでて伴侶たる恒星がこんなに近くにいるのに気付けない智宏..でもやっぱりひと目見た時から恒星は特別で..恒星視点で描かれた『恒星アラウンド』から恒星も最初から智宏に魅かれていたということがわかります。恒星は智宏を伴侶だと直感しても、智宏は幼い頃にヒートを経験したことで色恋に潔癖で、恒星への気持ちが何なのかさえ分からない。智宏は一生独り身であることを望んでいる。一緒にいたい、でも一緒にいられない..あぁなんて切ない。恒星も智宏もとても好感の持てる人物でした。智宏は謙虚でなよっとした細身キャラなのに、恒星と気持ちが通じ合ってからはHの時におねだりするギャップに萌えました。弱いようで、施設を出て高校受験したり弁護士になって懸命に働いたり、芯の強いキャラです。恒星はとにかく智宏に優しくてピンチに颯爽と現れるヒーローでした。

初めて、アルファの彼の努力が報われて本当に良かった…と思えた作品です。オメガの彼も辛い経験をしているのは確かなのですが、アルファの彼の行動力と自制心はそれを上回りました。なんだか健気に見えてしまい、最後まで心配でした。