レビュー一覧

なんとなく気になって購入。結果、すごく良かった。天羽とジョゼ。究極の恥ずかしがり屋と待てる男の話。分り易く愛情や独占欲を見せるばかりが愛情なわけでは無い。でも、確実に愛されている。それを実感したいからと相手を変えるのではなく、自分が先ず変わる。焦りとか、待つ身の辛さとか…ストレートな言葉にしてない感情の描写にグッときた。最後のリビングのコマ、自然とお互いをすりあわせ動き出した二人の幸せが満ちている、素敵なコマ。じっくり、時間のあるときに読むのをお薦めします。

さすが煮干し子さん、一筋縄ではいきません。作品紹介には「純愛」とありましたが、これはそんなもんじゃない。あとがきには「信仰」を書きたかったが違うものになった、とありました。両想いなのに想い方が違う二人に、部外者が加わることで少しずつ関係が変化していく様子が静かに激しいです。

有名イラストレーター×美麗人気モデル。最高！！新井先生大好きですが、その中でも特に好き。テーマが分かり易いからかもしれません。イラストレーターは受を愛してるけど、遠くから崇拝してるような距離感なので受はじれったくて悲しくて違う男と寝たり飲んだくれたりしちゃう。最初、受が破天荒な性格のようにも見えるんですが、本当は割と常識的な子で、普通に攻の事が好きなんだな〜普通に愛し合いたいんだな〜と解り、切なくなります。そんな面倒臭い二人の関係をまっすぐに描ききっていて(小奇麗にまとめたりせず)、読後感が凄くいい！

む、難しい！「愛」といっても、たくさんの形がある、みたいな話に感じました。

この作者様のふしぎなともだちが大好きで何回も読み返しています。今回期待して購入しましたが、話が難しくてびっくりしました。好きな方は好きな作品だと思いますが、ふしぎなともだちのような個性的だけどわかりやすい作品の方が私は好きです。

“宿に困った後輩”に身をやつした、太陽系を司る神を家に招き入れたら… 剣の登場シーンうまい。「木星と太陽」な天羽とジョゼ。信仰の対象として様々に呼ばれる二つの天体だが、ジョゼの風貌は、愛しても報われない様も含めアポロン(太陽神)を想起させる。天羽はジョゼを神と崇めているが、それはジョゼも然りだろうー天羽はゼウス(木星神)なのだから。人から神への一方通行な愛の相関。傷を負ったジョゼに語る天羽の愛(アガペー)によって、ふたりは「同じ人間」に生まれ変わる。神ならざる「絵描きとミューズ」なら、全てを捧げなくとも総てで寄り添える。軌道を離れ何処へでも行ける…神の恩恵によって。神に名に愛に拘り、女性ミューズでは成立しないBLを最大活用した神の手腕に脱帽です。

異なる愛し方をする二人のお話なんですね。ジョゼに向けられる天羽の「信仰」と言う名の愛は、ジョゼが天羽に向ける愛とは形の異なるもの。ジョゼの、「おれのこと好きになってよ…」がすごく心に残ります。そして二人の間に登場する剣というジョゼの後輩が、BLではあまり見ない不思議な役割。二人の関係を変える契機となって…。「ふしぎなともだち」は何度読んだかわからないくらいなのに、なかなか次に手を伸ばすのがためらわれる作家さんです。今作も配信時からずっとリスト入りしたままでしたが、やっぱりすごいな。近いうちにコンプする気がします。

芸術家の話だなあ、と思いました。多分神がかり的に美しいであろうジョゼを信仰していた攻め。だからジョゼの存在そのものが正義なのであって、当然神の行動に対して批判もない。でもジョゼはもちろん人間なので、人間としての愛を求めます。この話、切ないのはジョゼで、愛が行動として現れる時の距離感が違うと、近い距離を求める方が切ないんだろうなあ、と、恋人、夫、子ども、家族、誰かを愛する時にはベッタベタに愛する派の私は、そんな感想持ちました。面白かったけど、したがって、共感はできないので星４。

評価が高いので読んでみましたが、なんだか難しい世界観でよく解らなかったです。

表紙の絵を気に入っての購入。結果、何度も読み返すほど好きな作品のひとつです。攻めの受に対する信仰ともよべるほどの愛を受けも受け入れつつ、受けも攻めのことを本当に大好きでたまらないという大人なのに子供みたいな純粋な関係のふたりがすごくいい。このままいつまでもふたりで生きていってほしいと強く願います。