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あずみ先生というと『緋色い剣』や『獅子の如く』のような、勇敢なヒーローが活躍する少年漫画っぽい作風のイメージがありましたが、こちらは普通に少女漫画寄りな歴史物ファンタジー。第１巻は登場人物の素性をめぐる謎解きの要素が強いですが、巻が進むにつれ、ほんのりブロマンス風味というか、主人公レオンに対する美形男爵ヴォルフの視線が熱っぽくなっていくような気がするのは私だけでしょうか…。　ですが、この作品の魅力はそういう所だけではありません。ホムンクルスを生み出したレオンが、それと引き換えにした犠牲の大きさや自らの罪深さを省みて、苦悩を深めていく過程も、クリスチャンのあずみ先生らしい深みのある描写で、読み応えがありました。絵柄は少し古いかもしれませんが、イケメンを愛でるだけのブロマンス作品に飽き足らない方におすすめです。