レビュー一覧

以前、今、自分の周りにいて関わっている人たちは、前世で関わっていた人たちで、前世では父親だったり、恋人だったり、自分の子供だったりするから、現世での関係にかかわっているのだと・・聞いたことがあります。その当時は、輪廻転生や、人と人のつながりの業の深さにに単純に興味がわいていました。今回、この本を読んで・・感想がわれるだろうな・・・と単純に思いました。長い長い運命と約束のもとに、自分の愛する人を求めて、受けを探し出した攻め。二人の先に広がるのは、短命と他の人に惹かれる受けの業。二人の恋の成就に単純に喜べず、ロマンチックだと思えないのは、単純に私が年を取ったせいなのか・・・。人は定めを負って生きていて、その定めを何度も繰り返す・・・というのが、私には消化しがたく、運命は自ら切り開くもの！とこの手の話でよくある精神論に慣れてしまっていたせいか、少し衝撃が強かったです。また、片方だけに記憶がある、こういう前世物は運命の人が探し出してくれる・・・と、とれるかどうかで受け取り方が変わるのだと思います。何度も生まれ変わってもその時代にそのひとは、（過去の運命を背負ってはいるけれど・・）その時代のリンなのであって、以前自分が恋したリンではないのだと・・・、人生は一度しかないから精一杯生きるのに、何度も生まれ変わるから何度でも君を探すから、幸せな恋をしているあなたをそばで見守る転生の時もある・・などと、何となくそれでは攻めが自分のために生きていない気がして何か切なかったです。私の感想は少数派なんだろうな・・・と思いつつ投稿させていただきました。

終わってしまうのが惜しく、一ページ一ページを丁寧に読みました。怪しげな攻めに最初警戒していた受けの子が、徐々に攻めの愛情の深さを知り、惹かれ、幸せに満ちていく様子が素敵です。最初は達観し大人びた印象のある受けが、攻めの細やかな気遣いで心を解いていき、元々の性格であろう素直であどけない子になっていく様子が大好きです。知りたいと思う事柄やキャラクターの心理描写が隅々まで丁寧に描かれています。設定がすごく切ないのですが、とても幸福にまとまっていて、読後じんわりと感動に浸れます。心洗われるような感動物を読みたい人に是非オススメです！

チケットが高いので悩みましたが、号泣必至のレビューに釣られて読みました。基本的にはずっと同じカップリングなのですが、冒頭からしばらくは、とにかく数行読んでも涙。涙。世代変わった後からは比較的落ち着いて読み進められましたが、観念的な内容も濃く、世界観に引き込まれました。どう続きを読みたいのかわからないのですが、これだけ長いお話を読んでなお、まだこの世界観に浸っていたいとおもいました。

これまでのレビューにどれも頷きながら自分の感想を言葉にすることの難しさにジタバタしています。現実でそんな風に思えるかなと思ってしまったり、読んでいて突如とても寂しくて切なくなったり、でも描かれた温もりに慰められたり。すごく揺さぶられたけど穏やかなのです。単なる読書の範疇で語れぬ作品に出会った気がしました。お試しで気になった方は是非。

輪廻転生を繰り返しながら、少しずつ少しずつ幸せになるお話です。話の中では、大まかに分けて「出会い」「現在」「未来の一コマ」が書かれているのですが、「現在」の中で既に何度目かの輪廻である事がチラッと出てくるので、本当に永い時間を繰り返した上でのあの「未来の一コマ」なのかと思うと、感慨深いものがあります。周りの人物も輪廻転生の中で出て来た人達が様々な形で関わっていて、そういう細かいところまでじっくり見つけながら読んで欲しい作品です。「未来の一コマ」の2人の出会い方の意味が分かれば、暁天のその時の喜びもきっとどれ程のものか伝わると思います。

繰り返し繰り返し何度も巡る。攻めだけが、永遠軸で生きていて、生まれた時から、受けの為だけに色んなことができる様生きている。壮大な映画のようで、読む程に情景や音楽が流れてくるような物語でした。

BL小説を読んでいて、たまに「ならではの深さ」を実感する作品に出会いますが、これはまさにそれですね。「坂道のソラ」は瑞々しい恋と人生の苦味と成長が、丁寧な言葉遣いで描かれていてよかったので、こちらも読んでみたんですよ。「永遠に愛してる…」これを普通のノーマルカップルで描いたなら、こんなに透明な空気感は出なかっただろうなぁと思います。同性だからこそ、純度を高められるテーマってあるのですね。終わりが来るけれど、だからこそ愛しい。今終わっても、また次に愛するために出会う。ある意味、愛し愛されたい人にとっては、理想ともいえる輪廻の物語でした。でも切なくて、読み返すのが辛いかも。でも素敵でした。

凄い！！壮大な愛のお話でした。「星サカナ」を読み返して朝丘先生の他の小説を検索して見つけたのですが、輪廻転生によって永遠に続く二人。また周りの人達も前世からの縁によるもので…初めてBL小説で自分の人生の事なども考えてしまいました。生き方、考え方、自分にかかわる全ての物に優しく、暖かく生きていく事を再度教えてくれたお話でした。先生ありがとうございます。

もうBLとかって枠ではなく、読み物として、とても感動して読みました。独特の設定で、好みは分かれるかと思います。ある意味すごく幸せなのですが、壮絶に切ない。丁寧に生きていきたいと感じさせる作品でした。

文章力のある作家さんに出会えたと思いました。せつなくて涙の出る、でも幸せな作品でした。