レビュー一覧

「修道士ファルコ」の頼れる先輩、オドさんの俗世時代のお話です。 青池先生の作品は、どれも歴史と芸術に造詣が深く、とても勉強になります。 オド先輩の物語は、まるで上質な海外のミステリーの一作品に匹敵する面白さです！

ケルンの大聖堂にまだあの双子の塔がない時代のお話。詳しく調べられたお陰で当時の捜査方法、司法制度などなどとても興味深く読みました。意外と民主主義なんですね。ファルコではあまり感じなかったのですが、こちらのオドでは登場人物が・・・これはあの人?、こっちはこの人??の面影が。エロイカをお読みの方は「わかる〜♪」だと思われます。まあ、エロイカより真面目寄りでハチャメチャぶりはトーンダウンされていますが、あの世界観の中世版です。飛び道具以前のお話は毒薬が主役ですね。「薔薇の名前」インスパイア感じました。フランチェスコ派、発見。(笑) 1冊1事件ですので２巻目から読んでも大丈夫。

青池先生の作品が大好きです。特にファルコやオドたち、修道士のお話は非常に興味深く面白いです。その、オドの修道士になる前のお話ですから面白くない訳がない、ということで即買いでした。事件を解決する過程はもちろん、いつものエピローグのなんとも言えぬ余韻がたまらなく好きです。

待望の作品です。青池保子さんの中世を舞台とした作品はアルカサル、修道士ファルコとも大好きで、ファルコの同僚の修道士として修行にいそしむオドは中でも魅力的なキャラクターです。「ケルン市警オド」ではオドが何をおいても職務熱心で何がなんでも使命を全うする様、修道士になってからのキャラクターの出来上がり方が堪能出来ました。これらの作品はどれも何度でも読み返したくなること請け合いです。作中の中世のファッションも見処のひとつです。

青池保子さんの作品は、10代の頃から愛読していました。当時は、歴史物の解説が難しく感じる部分がありましたが、いまは興味を持って読んでいます。資料も現地で入手した原文の本や冊子、専門書やドラマまで幅広く、頭が下がる思い。歴史物である一方、ユーモアのセンスも抜群で飽きさせない、読み物です。

ファルコのスピンオフ、ってことになりますが、ファルコで人気が出たオドが主役で、物語的には完全に独立してますので、これ１冊でも困りません。１冊まるっと推理モノ。派遣された男はどこへ？彼をつけていたのはだれ？死体が一つ発見され、殺人者は誰？殺された理由は？って謎解きがとっても良くできてます。おススメです。

素敵なミステリーです。細かく描かれていて、拡大してじっくり読ませて頂きました。「リアリティは細部に宿る」実写ドラマ化して欲しいですね。

中世ドイツの役人が主人公の謎解きものです。しっかりした時代考証と緻密な背景は良質の連続ドラマか映画をみているようです。そしてなんといってもキャラクターが素晴らしい！青池先生得意の仕事熱心で苦労性の頑丈な男前はもちろん、ありとあらゆるクセのあるオッサンおばさんが生き生きと楽しそうに描かれています。ストーリー、画力、キャラクターが絶妙に混じりあって作られたこの独特の面白味はぜひ読んで楽しんでいただきたい。とにかく、リアルレジェンド青池先生の魅力と実力がたっぷり味わえる作品です。

徹底した歴史風俗検証、骨太でありながらコメディテイストも忘れない魅力的なストーリー。嵌まります。

修道士ファルコのスピンオフがあったとは！兄弟オドはあまり好みじゃなかったんですが、現役時代のオドはなかなか素敵です。相変わらず細密な絵と丁寧なストーリーで、最高に楽しめました！続きも大期待しています。