レビュー一覧

なんかハッピーエンドな筈なのに、哀しい。そんな切なさが残ります。

良い意味で裏切られましたね。面白かったというよりは、ハッピーエンドではあるけれど切ない終わり方をしているので、切ない余韻が心に沁みます。ラストとしてこれはこれでアリなんですけど、もう少し２人のその後について読みたい方に朗報です！作者が本来のラストとして書いた部分（バッサリとカットしたところ）を作者のサイトで読むことが出来ます！これは是非読んでみて欲しいです。

＊＊＊＊＊まずは他のレビュアーさんが書かれてたお得情報を！「この続き、気になる方もいらっしゃいますよね。沙野先生のブログの「処女執事エピローグ」にて続きが読めますとあったのです」読んできましたよー。コレは本当に朗報！ステキでした！レビュアーさんありがとうございます！＊＊＊＊＊さて、感想ですが、読後、BL紹介サイト2015年度で11位、レビュー数が多いのがよく納得できました。お話自体も素晴らしいし、どんでん返し3回。その間にもドンドンと伏線を回収していくんです。それも取って付けたようなものではありません。その中にボーイズでなければ出せないラブがたくさん詰まっていて、最後の最後は希望で満ち溢れた人生が待ってるんだなぁと読後感最高でした。このエンドで満足した方も物足りない方も上記のエピローグ見てください。ここでも伏線の回収にさらに納得します。しかし最初はこのタイトルと表紙に「おエロうござんす。みなさんもスキものよう、でへへへへ」と思ってたんです。ゴメンナサイ。もちろんソレもありますが、SFな所もあって他作品とほぼ同じ166ページなのに非常に長いお話を読んでるように感じました。それだけどっぷりと世界観にはまった作品です。笠井先生の挿し絵も素敵で逆さのものはスマホ画面縦読み固定でぐるっと回してかマジマジと見ました。8チケットでこんな気分にさせてくれて、大変お得な買い物でした。そう、レンタだと表紙の下部、危うい部分が黒塗りになってますが、R18対策ですかね？ま、実物はそれだけ際どいです！

タイトルに表紙にストーリーに裏切られました、良い意味で！こんなにせつなくて良い話しだとは思わなかった。攻めの行動すべてに意味があって受けの感情が変わっていくのもすごく伝わってきて。シリアスで陵辱もあったりするけど純愛です。

『処女執事』ってなに？サイ・ネヴィルって一体何者なの？物語りの冒頭は、違和感をすごく感じながら読んでいました。でも、読み進めていくうちに、一つ一つ、違和感に感じていたものが解き明かされていくのが、とても、良かったです。物語りは、ファンタジーですが、人間の身勝手さや傲りがベースにありますので、読みごたえありです。

こ、これは…！大多数の皆様と同じく、タイトルと表紙からてっきり「元やんごとなき身分の坊ちゃまが家の没落と共に、成り上がりの俺様攻めにその身を買い取られ、執事と言う名の奴隷として夜な夜な弄ばれる…そしていつしかご主人に身も心も惹かれるように！」という陳腐なストーリーを想像していました。皆さんのレビューもチェックせずこんなに深い内容が隠れているとは思わずに読んだので、これはなんとも嬉しい驚きです。全てが明らかになってみると、それまで横暴なサイが己裕をプログラミングから解放し、本来の感情を取り戻させるためにどれだけ努力を積み重ね深い愛情を注いできたかと思うと…サイが涙を零す場面に割り込んでヨシヨシしたくなります。個人的に記憶を失うことが絡んだ切ない系が大好物なので（砂原糖子さん「心を半分残したままでいる」凪良ゆうさん「おやすみなさい、また明日」などなど）もうコレを持って来られるとダメです…そして皆さんのレビューから沙野さんのウェブサイトでカット部分を読みまたキュンキュン。読後の満足感が増しました。サイ様は〇〇〇です！欲を言えば則雅が実は己裕の事を本当に愛していて「最初の手術では幼かったから覚えていないが、己裕　キミの心臓をもらう事なんで僕には到底出来ない」「逃げて幸せにおなり」とか言って、家族がセッティングした手術現場から己裕を逃がそうとするという設定だったら良かったかも…ちょっと綺麗すぎるでしょうか？綺麗と言えば、笠井あゆみさんの美麗なイラストが物語にピッタリで眼福でした！しかも、しかも表紙では己裕ちゃんの大事なところが！！！商業誌の表紙では初めて見たかも？紙本は帯で隠れているでしょうが勇気ある出版社様GJ！見間違えかと思わずズームアップしてしまいました…汗。

表紙から勝手にエロメインなストーリーを想像してましたが、とても良く作られた純愛ストーリーで良い意味で裏切られました！最後までページをめくる手が止まらなかったです。サイの記憶が戻らないラストだったけど、これで良かったと思います。きっとこのあとサイは記憶を少しずつ取り戻して、巳裕と幸せに過ごしたんだろうなぁと妄想。 【追記】沙野風さんのブログ覗いてきました。もう…感無量。この後日談を読む事で、完全に物語の幕が閉じるんだなと感じました。『巳裕、またせたな』のセリフに涙。

結末まで読み、執事を真に愛しているのはどちらの主人だったのかがわかったあと、もう一度読みました。一回目は理不尽にしか映らなかった攻めの行動が、愛に溢れていたことに気づき切なくなります。

絵とタイトルの卑猥さにためらいを感じるかもしれませんが、これは純愛です。特に攻が。色々想像しながら読みましたが最後はそうくるかと、予想外な展開でした。途中ツッコミたくなる箇所もありましたがファンタジーと思って読めば楽しめると思います。

執事ものはよくある設定ですが『処女執事』という“特定の主人に仕えるためだけに生まれた特別な執事”と凄くファンタジーでした。しかし細部の設定がしっかりしているから無理なくその世界観引き込まれ、ストーリーもまさかな展開もありで読み応え充分でした。ちなみにＨシーンはそこまで多くないと思います。後半が駆け足感あったのと、もう少しエロも読みたかったなという気持ちを込めて☆はマイナス1にしました。