レビュー一覧

サンプルの表題作と、兄弟ものと、幼馴染みものと、元同級生で既に付き合ってる社会人ものの４作。 一冊丸ごと表題作のカップルだと思って７チケ出して買ったのに…ちょっと肩透かしを食らった感じです。兄弟ものはあんまり好きじゃないので萌えず、幼馴染みものも主人公が暗くて萌えず、社会人ものは美術教師の受け(？)が劣等感やら何やらで一人でぐちゃぐちゃ、悶々と考え込んでて…途中で読むのが面倒くさくなっちゃいました。 表題作の黒髪の和久井君が何やら色気があって謎めいてて、二人の続きが気になって購入したものの、大きなカットでの盛り上がりというか動きがあるにはあるが、淡々とした印象を持ってしまうのは、この作者さんの見せ方？作風によるものか…。「ねくたいや」の時も思ったけど「小綺麗」な感じ。もうちょっと(当て馬的存在の)眼鏡の高木さんを巻き込んで、和久井くんも余裕が無くなるくらいドロドロな展開が見たかった。主人公の相原くんも流されるままでなく、気の迷いでも何でもいいから誰かと付き合って失敗とかして成長してもらいたかったとも思う。

7チケットで読ませて頂き、本当にありがとうございます。ここ最近、焼肉！焼肉！焼肉！…と飢えた体育会系男子のように肉的なものを続けて頂戴していた自分の前に突如現れた『個性的ながら、魂が欲していたぐい呑み一杯の澄み渡る日本酒』。それが本作品含めたこの丸ごと1冊の印象だと思いました(個人差アリ)。受け攻め云々というよりは、『ピュアな人種』と、『欲しいものを手に入れるためには手段を選ばない人種』。どの作品にも潜む彼らの関係性に只々モエモエと悶絶し、酔っ払い続けました。セ◯クスシーンも多い方ですが『エロ、又はHシーンを愉しむ』意図とはまるで違い、ソコも含めた会話劇の一部のような感じです。何だろう…この不可思議な満ち足りた感。

歩道橋から満腹感を求めてやって参りました。4CPのお話だけど表題作が長めなので満足です。和久井くんサイコー。こういうキャラはクズ扱いされてナンボと思うのですが、ラスト辺りで和久井の心情が見えて来て大どんでん返し。サスペンスの結末並みにドキドキしました。最後まで和久井くんは冷静沈着でしたけど、殺してたかもと言うくらいだから焦りや苛立ちの表情をした時もあるだろうに、そこは見せてもらえませんでした。私の大好物なのですけど、そこは見せないポリシーの作家さんなのかなぁとも思ったりして。当て馬さんの存在も綺麗だったし。こういった執着モノを求めていると果てなくエロの世界に迷い込むのですが、歩田川さんの作品を読んで私の飢えていた部分が満たされた気がしました。エロ少なめ、むしろないに等しいと思っていたら他の方のレビューにエロ多めと書かれていてビックリ。これは読む人の判断にお任せする事とします（笑）

表題作がとても好きです。腹黒な計算攻め！執着攻め！とてもイイ！受けを逃さないための計算づくなところに萌えました。兄弟の短編はその後がとても気になります。最後にその後が書かれてること期待したのですが、残念でした。あとの2作は、誘い受けと、もう一作はエロ無しだったので、あまり好きな設定ではなかったです。一冊まるまる、表題作と兄弟のストーリーなら星5でした。

歩田川さんの作品は、ソフトな絵柄と飄々とした台詞の陰に、きれいごとで片づけられない人間のややこしい感情を潜ませている。だから、さらりと読み流せない。この単行本は特にその「陰」の色が濃い作品ばかり。どのCPの話も、切なくてきゅんとくる部分とコインの裏表のように、呪縛にも似た怖さを感じさせる。恋愛感情は自分でも制御できないからこそ怖いのだと気付かせてくれる。それをあくまでも優しく、さりげない筆致で描き出しているのが本当にすごい。

雰囲気があって、好きな絵です。が、どうして、片耳黒く塗るんでしょう。気になって、話が入ってきませんでした。

この作者さんの描く絵も、醸し出す雰囲気も、すごく好きです。皆さん言われているように話としてはヤマが小さくてハラハラドキドキはそれほどでも無いものの、それなりに2人の登場人物の細やかな心理描写に焦点が当たっていて、満足しています。私的には、大当たりの作者さんです。

表題作＋短編3作。表題作の友人関係ってタイトルが、秀逸ですね。攻めの手のひらで転がされる受けが可愛かったです。兄弟カプの話は、弟が、男前で、その後が、とても気になります。

一冊の半分くらいが表題作。不思議な関係の二人だなーと思いながら読み進めましたが、イラっとする感じじゃなくて…説明って難しい(泣) エロはおまけ程度かなってくらいですが、そのくらいで十分な雰囲気でした。その他30ページ弱の短編が３作入ってます。どれも続きを読みたくなる感じでした。てか読みたいから出してください！

作者買い。長めの表題作と短編が3つ。安定の世界観で、ひねくれた恋愛が楽しいです。サンプルで惹かれた方は是非。表題作だけだったら良かったなということでマイナス1にしました。