レビュー一覧

孤島の鬼を読み漁っている者です。こちらの作品は全3巻でページ数が多く、読みごたえがありますね。今の所この作品だけですよ、刑事の動向を描いているのは。それに対し、初代の生い立ちを3ページで済ましているのはセンスを感じました。よく見るとベンチやホテルでちゃんと原作通りですし。絵も綺麗で壺などの小道具も惚れ惚れします。ただ、現代の世相に考慮して原作の核となる部分が大幅に変更されていますね。こういう展開も良いと思いました。唯一の不満は洞窟で蝋燭の火が消えて主人公が道雄を呼ぶ場面です。あそこは「諸戸さん」じゃなくて原作通りに「道雄さん」を連呼して欲しかった！切羽詰まって学生時代の呼び方が出ちゃうなんて超絶可愛いのにー。あ、でも昔は決して握り返さなかった手を握り返した所は好きです。そしてこの作品の一番好印象な所は主人公が道雄に病院の院長になってと依頼する場面です。原作では触れられてない部分で、私はモヤモヤしておりました。ポッと出の女と結婚した愛しい人をずーっと傍で見守っていくのってどうなの？つらいんじゃないの！？その答えがこの作品にありました。その時の道雄の拒絶がもう！あは、そりゃ嫌だよね！ってな感じで私的には爽快な気分でした。主人公が道雄に距離を置かれて戸惑う所も道雄派の私には「いいぞ道雄もっとやれ！こんな坊や捨てちゃいな！」な気分でした。この展開を盛り込んでくれた漫画家さんとは美味い酒が呑めそうです。でもまぁ…結局最期まで主人公を愛したまま、道雄は逝くんですけどね…。この作品の道雄は繊細な優しい人で、原作に忠実で大好きです。

道雄への愛を感じる漫画でした。とくに最後の方。原作の箕浦君の拒絶ぶりは、そりゃすさまじく、それでも追ってくる道雄はもうとんでもない怪物として描かれてましたが（原作のこのあたりは、ああホント、雨月物語だな〜って感じですね）、この漫画の道雄は彼が怖がって流した涙に触れるとハッと人間にかえるのです。その後の展開で、辛い時に抱擁してくれた箕浦君に、ちょっとだけ期待しちゃった道雄。出ましょうと手を取ってくれた箕浦君に「もしかしたら…」って、淡い夢を見たはず。だけど外に出てきたとき、こんどは自分から手を握った箕浦君の白髪化で、道雄は知ってしまうのです。自分の恋が（彼を欲して怖がらせたことが）、彼にこれほどまでの変化（つまり恐怖）を与えてしまったのだと。そして、あの泣き顔――――――。もうっ、切ないなあ！！！この漫画家さんは、道雄の心情を「手」で語らせているので、そこに注視すると切なくて泣けますよ。わかれのときに抱擁ではなく、手を握っただけで去っていった道雄の中では、箕浦君に対する恋が愛に変わっていたのだろうな。箕浦君がいなくちゃ生きていけない道雄なのに。箕浦君がいない未来を選んだのだから。まったく……、壮絶な愛ですね。

原作の小説を読んだことがありますが小説の方が面白いです。

あっという間に読み進む面白さでした！早く続きが読みたいです。

原作が好きですですが、こちらはこちらで素敵でした！基本的には謎解きものなので、色恋の話はメインではありません。ですが諸戸の片思いの様相が悲しく、私は原作版のラスト1ページではいつも泣いてしまいます話は仄暗いですが、ヒロイン2人もとても可愛いですし、主人公とサブ主人公(諸戸)もカッコイイので、どこを見ても美しいです。孤島の鬼が好きな人はきっと乱歩の「暗黒星」も好きになれると思います。未読の方にぜひオススメしたいです

江戸川乱歩の世界観にぴったりな綺麗な絵柄です。このお話をこの絵柄で読めるのは嬉しいですね。

大正の腐男子、乱歩爺さんはBL作家になりたかったのに、周囲に反対されたため、この一作しか描けなかったのです！ 乱歩の趣味によく合う、耽美な絵でぴったりだと思いました。

まず絵も主要人物二人も綺麗で話も続きが気になるような話で読んでて面白かったです。

主人公はもちろん、登場人物たちがみんな綺麗で読んでいてどきどきします。謎解きも面白く、読み応えがありました。ただ、全体を通して同性愛の色が強いので、苦手な人は苦手だと思います。下品な感じではありませんでした。

3巻完結とは思えない密度にさすがとしか言えません。江戸川乱歩のミステリアスな物語に絵がしっくりきて引き込まれ、ラストまで読み終わっていい意味で鳥肌が立ちました！