レビュー一覧

強引で束縛気味のヒーローと、籠の鳥のヒロインが自力で羽ばたこうとするストーリー。一見弱々しいですが、そこは原作者C･ラム。ヒロイン強いです。義理の父やヒーローの束縛から逃れ、自立していく姿が素敵です。ヒーローは傲慢ですが、作画の捨て犬のような顔が何ともいえず、酷い男性になりきれず好印象。原作では、もっと鬼畜で犯罪スレスレ。全く違う印象でした。ストーリー全体で、原作の意図するのとは違うように感じました。ガッカリする反面、恐怖を感じない分、二人を応援したくなる内容でした。

正直言って、この作品は130ＰそこそこのＨＱ一冊におさまる内容じゃないと思いました。ヒロインの生い立ち、家を飛び出して外国へ、ヒーローとその友人女性との絡み、独立していく過程etc...。これだけの内容を詰め込むのは無理（笑）。少なくとも前後編くらいにはなるはず。これは、どの漫画家さんにも酷な作品と思います。

クレアはベンと出会ったことで愛してもいない男性と結婚は出来ないと気付く、また、義理の父からは義娘としてではなく女として見られていることにも気づく、それが家を出る決心につながったわけだけれど、クレアの感情の起伏の高低が不足していて説得力がない。家出後は「お嬢様」というよりは「世間知らずの子供」でナタリーを使ったベンの手の上で転がされていてそこまでには魅力が何も無い。しかし、ベンと関係を持つことでようやく女性としての魅力が表面化してきて、独立し、ベンに対しても頑なに自分の考えを変えないところから面白くなってきたと感じていたら、特別な事象も無くEND。クレアを追いかけているはずのベンの登場も少ないし、ベン自身の心情の葛藤も無い。いきなりベンの「僕の凍り付いた心を溶かしたー」というセリフはあるけど事象は無いから、それはいつ？会えない時間が愛を育てたとでも言いたいのか？ならば、ナタリーにベンの様子を語らせるだけでなく、その様子のベンをもっと描いてほしかった。最後は「これからロマンスがはじまる」と締めくくられているが、ロマンスを感じられなくてつまらなかった。

正直、つまらなかったです。救いはヒロインがヒーローに別れを告げて以降、自分の意志を持ってぐらつかなかったこと。世間知らずのヒロインには若干イラッとしましたが、仕事を見つけて働き始めてからは好感が持てました。相手の男性の魅力は分かりませんでした。義妹が気に入って連れてきたという出会い方もなんだか嫌でした。こういう出会い方をしたなら義妹に対してもう少し気兼ねして欲しかったです。

1チケで読むには妥当かな。これまでのHQにいそうで意外といない、強さのあるヒロインでした。原作は未読ですが、原作よりも色々マイルドになっている様で、これ以上くどいと読むのが辛い私には丁度良かったかも。ちょっと絵が時々アレな感じ(柔らか表現)になるのが気になりました。

これって上手くまとめられてないですよね。ベンによって気付かされた義父の自分への執着心。クレアが家を飛び出すも、自分が義父と同じ様な支配心の強い男に惹かれてる事にどうして気がつかない？世間知らずのヒロインにイラっと来ましたし、それを見越して呼び寄せたヒーローにはもっとイラっと来ました。

1チケでお借りしました。支配的な人は、ターゲットになりそうな相手をちゃんと嗅ぎ分けられるんですね。原作ではどうか知りませんが、義父の態度は性的な意味で気持ち悪かったので、食い下がって来なかったのには拍子抜けでしたがホッとしました。ヒロインはたおやかに見えて結構しぶといです。ヒーローの謝罪と告白をすぐには受け入れない根性は気に入りました。後書きによればもっと激しい性格だったのか？　世間知らずの怖いものなしで、世の中渡っていけるラッキーな人です。ヒーローは寧ろ駄々っ子で情けない印象。ナタリーなら十分対処出来た程度の人に見え、セクシーさ以外の魅力の在り処がよく分かりません。そこが残念。最後の仕切り直しは唐突ですが、ヒーローが変わったのを表現するには良い方法ですね。でもなんだか「僕達の冒険はこれからだ！」みたいなエンドになっていて、少し笑ってしまいました。総じて、1チケなら十分に楽しめる内容だと思います。

最後の茶番がお話しの全てを台無しにしました。

恐らく、美しい義理の娘を手放したくない義理の父親が世間知らずに育てて手放さないように画策。自覚はないが恋をして強くなっていくヒロインが素敵です。

ストーリーはおきまりの形でした。絵が綺麗なので読みやすかったです。