レビュー一覧

主人公の刑事が「秘密」の主人公の亜流みたいな感じで、いかにも最初は「秘密」のためのプロットとして考えたものの「秘密」の脳を覗くという設定にはうまくそぐわなかったので、独立短編に仕立ててみました、って感じなのかな、と思いました。「秘密」も巻が進むにつれだんだん理屈っぽくなってきて事件の謎解き部分はやたら偶然要素が多かったり強引な説明セリフで片づけたりと納得いかないことも多いんですが、この作品も描きたいテーマやメッセージはなんとなくわかるものの、その主張ばかりが前に出すぎていて説明臭さが強いうえ、人間ドラマなりエンタメなり漫画として楽しむにはなんか胸糞悪さが強いわりに心に響くものはあまりないなあと感じました。クライマックスに女性裁判官が少年犯罪の犯人に対して「子供のころから行き場のなかったあなたを引き取って面倒を見てきてくれた養父母を殺すなんて」とか手厳しく糾弾していますが、その養父母って教義の名のもとに妾にするために養女にしたうえ、十代のころから予定通りに妾にして妊娠させ軟禁してた連中なのに、そのことをそこまでなじられるのか？とか、犯人と運命の双子状態だったヒロインはなんか他人事な感じに自分だけ新しい人生に向けてうまく高跳びして終わっちゃうのとか、まあいろいろ。犯人は無関係の幼女を殺してしまっている時点で許されないというのはわかるんですが、ヒロインの養親殺しは緊急避難として正当な行為だったけどお前が養父母を殺したのはダメだ、と言われてしまうのはなんかちょっとなあ、と。あの裁判官嫌いだわ。この作者さんは昔はいろいろ引き出しも豊富に心にグッとくる中短編をたくさん描かれていたのに、最近は本当に猟奇グロ作品ばかりになってしまったのは個人的には残念です。

最初の事件が熊本の江津湖！実在の場所で、なんと私の家から歩いて５分のところです もうびっくり！初夏6月にはホタルが舞い、湧き水がこんこんと流れ水も綺麗、バナナの木も生えていて美しい所です作者こんなローカルな場所知っているとは！きっと散歩とかで行かれたのかな？ストーリー今から楽しみむす

面白かったです。話にぐいぐい引き込まれます。絵も好きです。けれどずっと手元に置いて何回も読み返したいほどの思いは持てなかったです。「秘密」は繰り返し読んでいるのですが、違いは何だろう。これで9チケは高い。48時間があれば☆4つ…かも…。

相変わらずこの作家さんは暗い。全部暗い。でも絵は美しく話も面白い。

絵も綺麗だし、話も面白いけど、秘密には負けます。２時間サスペンスみたいでした。

絵は相変わらず天才的にうまくて綺麗。だけど、かつてのこの作者様の作品には、絵だけでなく、練りに練られたストーリー、深いテーマで何度読んでも感動させられたものでした。なのに、なのに、最近の作者様はどうしてしまったんでしょうか。綺麗で残虐でグロい、それだけになってしまったように思えます。若いみなさんには、本作品や秘密なんかよりも、もっと昔の素敵な作品を読んでもらいたいと切に願います。

清水玲子さんの作品が好きな方なら、間違いなく好きだと思います！

作家さんは子どもの頃から長く知っています。最近はミステリー・サスペンスを描かれてますが、これらも好きです。「秘密」より面白いか？と言われれば一冊だけの作品なので比べにくいです。少年法についての疑問は、この作品ではふたりのヒロインの違いは年齢以外なんなのかは分かりませんが、清水玲子さんの作品の中でよく取り上げられているテーマです。ちょっと考えてしまう内容でした。

普通に考えて、最初の事件があった時点でもう一人も当然保護されるかと思います。絵が綺麗な分余計後味が悪いです。

清水玲子さんはやっぱりすごいな。深淵というタイトルもぴったり。漫画家さんというより作家さんですね。「秘密」という長いシリーズを続けながらこのような作品まで描けるってホントすごい人です。