レビュー一覧

ヨーロッパの通俗小説お得意の、けなげなヒロイン、傲慢な彼、相次ぐ誤解（日本で言うところのすれ違い）。「授けられた受難」と対になっており、どちらもとっても素敵なお話です。

リン・グレお得意の傲慢系ギリシャ人大富豪ヒーローが、2年前に自分を拒絶したヒロインをあの手この手で父親の会社の復活を条件に自分の愛人にし、とうとう強引に結婚するストーリー。今回はなんだかんだとヒロインにメロメロなヒーローがどんどん優しくなっていったので、読後感も良かったです。

追いかけるヒーローに捕まったヒロインの物語です。一般人から大富豪の愛人へ、急な結婚、妊娠と、物語が要所要所で急展開を迎えます。ただ、ページ数の大半はヒロインの葛藤の描写に使われていて、ヒロインの純朴さに心打たれました。こんないい子がいつ報われるの？って焦りが出るくらい終わりのページになってからの愛の告白、両想い、ハッピーエンド！(笑)最後の怒濤の展開にあっけなさを感じつつ、二人と家族が幸せになってよかったと思いました。

誰からも守られず、一人で生き抜いて来たヒーローが初めて自分を振ったヒロインに対して半ば復讐心から、彼女の父親の倒産寸前の会社の立て直しを材料に愛人になることを強要する。しかしヒーローは彼なりにヒロインを二年も忘れられず、惹かれていたのだが、絶対にそれを認めないというか、そういう感情が初めてなのでわかってない。彼の傲慢さに臆せずに意見を言い、彼の生い立ちを知ってからは、豊かな感情で彼を包み込み、ほんとに素晴らしい女性でした。そんな彼女にヒーローが気づき良かったです。最初と最後は、ヒーローは別人のようになっていました。

リングレのヒーローって、なんでこんなに傲慢なんでしょ。でも今回は後半かなり素直になって、良かった。リングレ得意のヒロインを誤解していじめまくるっていうのもなかったし。彼もギリシャ人。ハーレロマンスではギリシャ人ヒーロー率が高い気がする。北欧系やドイツ系の富豪ヒーローが異常に少ない？？世界的に見ても彼らは情熱に欠けると思われてるの？で、ギリシャ人はロマンス小説にもってこいの情熱家？？