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レビュー一覧

総合評価
5点
4.5
(37)
5点 5 26
4点 4 6
3点 3 4
2点 2 1
1点 1 0

※すべてのレビューが表示されていますので、Renta!で購入していないレビューも含まれています。

2021-02-10
評価点
5
OBPさん
Renta!で購入済み
※このレビューにネタバレが含まれています。 レビューを見る
昔萩尾先生が仰られていました。「日本を舞台にすると男尊女卑、家父長制、年功序列を取り入れなくてはいけないので、敢えて舞台を外国(初期当時は一度も行った事がなかった)やSFにした。」性差別と言う構造的暴力にがんじがらめに縛られている女性を憂い、いっそ「そんなに女性を忌み嫌い、組織的に排除し続ける差別的な男社会を維持したいのなら、実質女性のいない男社会なら、一体どうなるのだろうか」と言う構想の上に、「マージナル」と言う傑作が生まれたかもしれません。男だけの社会には強者男性と弱者男性(若年層)が存在し、それはあたかも男尊女卑と同じ構造に似る。支配、搾取、加害、被害、差別、あらゆるハラスメントの構造的暴力は健在する。しかし、繁殖の課題がある。ここで要となるのが、レイプされた母親のトラウマに駆られ、両性具有種キラを開発した研究者。研究者曰く「合意なしで侵略された子宮は壊滅し、そのトラウマは脳に直結し、その恐怖は脳内シナプスを破壊する。女性の身体が如何にレイプにより永久に破壊されるかの経緯が明確に記されています。合意がある場合だけ女性に変わり、体内に子宮、卵巣が形成され、受精する環境を整えるキラと言う生命体。合意がない場合は身体は男性のまま、何も産まれない。それは合意の重要性を非常に上手く表現しています。そしてそれは地球とも同じ規模で言える事。何も抵抗できないからと、勝手気儘に蹂躙すれば土は破壊され、何も生まれない。男だけの(繁殖能力のない)不毛な社会。ただ一人の子宮を持つ生命体、女性さえも殺す男社会の加害性。女性がいなくとも加害と支配を繰り返し続ける男社会。女性ホルモンの投与により胸のあるトランス。合意の上に性別を変える能力を持つ両性具有者キラ。男尊女卑価値観を捨てきれない男性にこそ読んで欲しい漫画です。女性なしでは産まれて来なかった自分であり、女性なしでは何も産まれないと言う事を自覚して欲しい。合意の定義とその必要性、性暴力の定義とその被害の心理学知見を理解して欲しい。この作品は40年前に執筆されたと言うのに、2021年未だに合意が一体何なのか、その必要性を未だに理解せず、性暴力(男性)に甘い日本の三権分立とメディアと言う男性独裁政権。「マージナル」の最後のページ、キラと共に地球が変わろうと脈打つシーン。果たして日本にそのカタルシスが訪れるのか疑問です。
2017-04-19
評価点
5
うふそーさん
Renta!で購入済み
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健全な肉体に宿る精神もまた健全である、という表現がぴったりのアシジン。大好きです。具合が悪くなればイライラするし笑さて、キラ、グリンジャ、アシジンのストーリーとは逸れますが。「何でもくれるといった、自分以外は!」この叫び、悲痛です。二人で幸せになれればよかったのに。
2016-09-19
評価点
5
美波さん
Renta!で購入済み
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読むたびに新しい発見がある、深い作品です。萩尾先生は天才ですね。
2017-06-26
評価点
5
negiさん
Renta!で購入済み
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ジャンルとしてはSFながら、根底は種を残すとは?がテーマのようで、男性だけになった世界で、人々の暮らしや道徳観など心情が主題なので、SFが苦手な方でも読みやすいと思います。ポーの一族よりも物語にテーマ性があるぶんわたしは読みやすいなと感じました。
2016-09-22
評価点
5
夕暮れのウォーターオーブンさん
Renta!で購入済み
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全人類のただ1人の母が暗殺されたことで、人々は大パニックに陥る。今後、このまま子供は生まれず人口は減り続けるのか?なぜ犯人は母を殺したのか?少しずつ謎が解き明かされる快感がたまりません!何度も読み返したい作品です。
2020-06-18
評価点
5
sb7さん
Renta!で購入済み
※このレビューにネタバレが含まれています。 レビューを見る
当時リアタイで掲載誌を追いかけたので最終回まで寄り添えた感慨はひとしお。男ばかりになった世界で唯一の聖なる母「マザ」。壮大なテーマに多種多様なキャラクター、全容はラスト近くまで見えてこない。でも臨場感と吸引力はハンパなかったですね。今読んでも、マザ暗殺シーンの、コマ割り・ガヤのセリフの重なりなど、たたみかける演出とスピード感が圧巻。あと、真っ先に思い出すのはメイヤードのエピソード。最後の言葉は「ナ…スタ…ス」だったと、その伝言を聞いたナースタースの悲痛な叫び。今でいう「ツン」キャラだった彼女が号泣する姿は、何度読んでも胸がしめつけられた。細かいストーリーを忘れても、ふとした拍子にこういう印象深いセリフをいくつも思い出すことがあり、この先何年たっても、何を読んでも、この作品は私の中で色褪せることはないなぁと思います。
2019-05-03
評価点
5
タマさん
Renta!で購入済み
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連載当時はエピソードがバラバラで、話が見えないのが望都サマのSFなんですね。それが終盤になってからパズルのピースが合うように伏線が見事に回収される。この作品は、様々な立場の(ここ非常に大事!)多くの人間が、それぞれの思惑で絡み合う。話の着地点が最後まで見えませんが、終わってみると あの人物の体型にまでイミがあったか! と感じるほどよく練られた話でした。浄化に向かう地球が暗示され希望の見える結末。しかしメイヤードの最期の言葉 ”ナースタース…”。それを伝え聞いた彼女の叫びと涙が、(ほんの2,3ページなのに)胸がつまるほど哀しくて泣いた。
2016-09-01
評価点
5
りょうさん
Renta!で購入済み
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大好きな作品です。環境問題などいろいろなことを考えさせられました。詩的で美しい作品です。
2021-12-14
評価点
4
玉菜さん
Renta!で購入済み
※このレビューにネタバレが含まれています。 レビューを見る
世界が男性だけになった時・・・不思議な設定です。後半になってからの伏線回収が見事で何回も読み返したくなる作品です。
2021-01-16
評価点
5
ブラックらっこさん
Renta!で購入済み
※このレビューにネタバレが含まれています。 レビューを見る
リアルタイムで読みました。紙で持っています。 小学生の時に「ポーの一族」を読み萩尾望都の世界観が好きになりましたが、今でも手元に置いてあるのはこのマージナルだけです。今でも何度も読み返しています。とにかく世界観がすごい!私的には萩尾先生の作品の中で1番の傑作だと思っています。まだ電子では完結していないみたいですが、最後は落ち着くところに落ち着きます。某TVで萩尾先生の作品の解説や個人の見解など紹介していましたが、このマージナルが出なかったことが残念でなりません。ぜひ読んでもらいたい作品です。