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レビュー一覧

トーマの心臓

5点 4.7 63件
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  • 2018-04-15
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    言わずと知れた大名作ですね。萩尾望都先生の作品の中では比較的古い作品の部類に入りますが、いやいや、この読後の重量感はもう古いとか新しいとかないです。気合いいれて読みましょう笑。なぜトーマが死なねばならなかったか、という点ですが、キリスト教という一神教が深く信仰されているというベースを理解して読む必要があります。また、少年愛という当時センセーショナルだったであろう要素についてですが、「愛とは何か」という壮大なテーマを理解する上では、ほんの表面の一部に過ぎません。それにしても、ここまで人の内面を掘り下げて描きながら、登場人物人一人の魅力が全く尽きないという…。単なるエンターテイメントでは終わらない、純文学にも似た重厚な作品です。何度も何度も繰り返し読んで、味わい尽くしたい作品の一つです。

  • ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    ラスト、トーマがユーリにあげたかったものが分かったとき涙が溢れた。時をどんなにこえても名作。

  • 2020-08-06
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    このお話は日本ではなかなか成り立ちません。八百万の神の国だから。わたし自身もアニミズムが知るうる中のあらゆる宗教観で一番しっくりくる考え方なので、キリスト教、しかもカソリックが根底にある感覚が体感としてないですから。しかし、この宗教だからこその美しい話となったと思う。随筆、小説などを書いていた三浦綾子さんを尊敬して(敬愛といっていい)いますが、彼女は敬虔なクリスチャンでした。キリスト教という考えには全く相容れないのに、その宗教の厳しい戒律を守り生きているその姿は心をうった。原罪という考え方。本当に合わないです。生まれ落ちたときから罪を背負い、その贖罪のためによりよく生きる、といえ教え。自分なら、なにいってんだろ…ホントこの宗教ksだな!というところですが、それを忠実に守り敬虔に生きる健気さというのですか。自分にできないからこそ、美しいと思うのかもしれません。この物語もその宗教が根底にあります。最後に。電子版で読むにあたって、このお話しを一巻にまとめてくださった諸関係者の方々、ありがとうございました。

  • 2017-08-08
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    古い作品だけど話がシッカリしているから古臭さが感じられない。純文学話を読んでる感じ。

  • 2021-05-29
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    40代で初めて読みましたが、最後は涙が止まりませんでした。他の方も書いてらっしゃいましたが、これを当時の少女たちは読んでいたのでしょうか。。その感受性の高さに本当にビックリです。これを多感な時期に読むって物凄いインパクトがありそう。(でも自分が少女の時に読んでも、どれだけ受け取れたのか疑問しかないですが。。汗)漫画というか文学作品読んでいる気分になりましたし、それと同時に漫画を文学より下に置いていた自分にも気付かされました。これはユーリの愛の喪失と再発見についての物語だと受け取りました。キリスト教でいう「原罪」というのは、多分、そもそも自分は愛されている、というか愛そのものである、ということを「忘れる」ことであり、ユーリはサイフリートとの接触によってそれを失い(サイフリートのせいでというよりは、ユーリがそんな自分を許せなかったことにより失ったのでしょう)、トーマとエーリクを通してそれを思い出していった(愛の再発見。贖罪。)のだと。ユーリのなかで点と点がつながっていく時、「そもそもずっと幸せだったのかもしれない」と気づいていく描写に、鳥肌が止まりませんでした。これを漫画で表現するって本当に本当にものすごいことだと思いますし、私自身、少女時代に読んでいたら今と同じ人生を歩んでいただろうかと考えずにはいられない体験となりました。古い作品もデジタルで読めるようにしてくださって本当にありがとうございます。

  • 2018-01-02
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    鎮魂と救済、そして再生。大人になっての再度読んでの感想が上記です。読み手を強く揺さぶりますが、これだー!スッキリ!という解釈はきっと出ません。たまたま「これは読むべき」と友人に貸してもらいましたが、当時中学生の私にはさっぱり理解できずにいました。少年愛が存在し、愛、信仰心、絆が繊細に織り込まれた世界は、発表した当時の少女漫画としては相当異質だたったのではないでしょうか。当時リアルタイムで読んでいた少女達の感受性の豊かさに驚きます。

  • 2022-02-01
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    作者買いです。定期的に読み返してしまう、名作ですね。

  • 2021-01-06
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    これがお若い時の作品というのが凄過ぎる、とてもよく出来た作品です。ユーリが罪を背負って苦しんでいるのですが、中学生の時は、ユーリはレイプされたのではないかと思って読んでいたら、キリスト教への背徳行為という宗教的なことだったのだなと、宗教というのは、キリスト教徒にとって、それ程までに大きなことなのだなと思って読みました。ですが、この間、NHKの100分で名著で萩尾望都さんの特集の時に、解説の方が、ユーリが何らかの性暴力にあったというのは、読めば明らかだ、とおっしゃっていて、露骨に描かず、読めば分かるように書くというのが、この作品の秀逸な点だと思いました。大人になった今読んでも、完璧だなと思います。

  • 2017-06-05
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    「愛とは何か」ということに真摯に向き合う漫画です。絵柄には確かに古さがありますが、テーマは普遍的なものです。自分の中にある「愛」について考えたい時、何度でも読み返したい名作です。

  • 2022-01-10
    ※このレビューにネタバレが含まれています。
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    この作品は大好きで何度も読み返しました。電子版は持っていなかったので購入です。何度でも色褪せない萩尾望都先生の輝きがあって素敵です。作品ではボーイズラブになっていて、そこに注目している人もいますが、もっと深い愛について哲学的に考える為に少年達が登場しているような気がします。透明でまだ自分を決めていない少年達。無邪気さと残酷さと純粋過ぎる真っ直ぐさ!思い詰めすぎて苦しむ姿に青春の瑞々しさを感じて懐かしい想いになります。苦悩の果てに愛に辿り着く場面は、遠藤周作の沈黙のような感動を感じます。僕の翼、君にあげる…という台詞は、幼いピュアさがあるから響くと思います。大人が言って信じられる台詞ではない。少年少女でなければならないと思います。