レビュー一覧

久しぶりにゆうきまさみ作品を読みましたが、やはり面白いですね！一巻無料から既刊まで一気読みしました。12年ごとに起きる「羊殺し」と、その事件で恋人を殺された雪村。奇遇にも彼との連絡係に抜擢された、死んだ恋人の孫である厚労省のあかり。ストーリー展開もさることながら、やはり細部脇キャラに至るまでの登場人物の描かれ方が秀逸だと思います。世間に認知され、庇護されながらもどこか哀しいオキナガたち。今まで読んだ不老不死もの(『ポーの一族』や『人魚シリーズ』）より本当に平凡に生きる彼らは、しかし巻を追うごとに迫害方向に。太眉のヒロインはゆうきまさみならでは、でしょうか(笑)。でかいヒロイン、あかりに頑張って貰って、雪村の、ひいてはオキナガたちの未来に微かな希望の灯がともりますように。

軽〜い気持ちで読み始めたのですが、面白く一気に読んでしまいました。最終巻が楽しみです。早く読みたい！

とにかく話が長いので読み応えが欲しい向きには最高です。バーディーもそうですが、ゆうき先生の作品は連休潰す覚悟が必要です。忙しかった１日の最後にベッドで読み始めたらもう大変。気がついたら目覚まし鳴ってました。翌日の仕事に差し障るので星４こです。

1巻を読みました。面白いです。こういうファンタジーサスペンスもので主人公が厚生省職員なのは珍しいですね。吸血鬼のような不老不死「オキナガ」の魁と、殺人事件をきっかけに彼と関わることになった主人公あかり。人間とオキナガの溝や2人を取り巻く人々、謎が深まる事件の背景、続きが読みたくなるような作品でした。

何気なく読み始めたのですが、ハマりました！88年生きているのに全然丸くなってない魁が可愛いです。あかりちゃんもおっちょこちょいな面があるものの仕事熱心で魁と対等に渡り合えるところなど、好感が持てます。事件を追ってゆくストーリーはもちろん面白いのですが、個人的には魁が如何にしてオキナガになったのかという経緯が描かれている2巻が特に好きです。戦争によって引き裂かれた魁と棗の純愛に涙が溢れそうになりました。あと、現代の魁と竹ノ内のビジュアルより昔の(二人が出会った頃)のビジュアルがタイプです。

設定こそはSFですが、現在の事件を解決する過程で過去の事件の真相が明らかになっていくミステリの王道の形をとっています。絵柄も見やすく、登場人物の描き分けもしっかりできているのでストレスが溜まりません。作者独特のユーモアも健在。そうした暖かく柔らかい世界のなかで、異質で悲しい存在がいっそう浮き彫りになって、読後は何とも言えない気持ちになります。

このお方のお話は今まで読んだことがないのですが、設定とキャラにハマって一気に10巻まで読んでしまいました。主人公が長身ですが真っ直ぐで明るく、暗めの話になるのですがそんなところが救われます。早く続きが読みたくなります。

ゆうき先生の作品の中でも最愛の作品です…ミステリとしての面白さも極上ですが、哀しきオキナガという存在を通じて、パトレイバー同様日本社会の闇を抉っているところが流石という感じです。読み返せば読み返すほど味わい深く…何度読んでも最終回で味わう晴れ晴れとした寂寥感に胸詰まります…！

設定と話の流れは概ね面白かったものの、ヒロインとヒーローのキャラが苦手だった。好みの問題なので仕方ないが。そもそも舞台を厚労省においてるのにヒロインの素行と頭に問題がありすぎるのが気になって。

どれだけ作風をお持ちなのか、本格ミステリかつ近未来ＳＦを交えた手腕に脱帽です。プロ中のプロだけあり描き分けがしっかりなさってて、微妙な表情に感情がほのみえて。人物関係も複雑なのに解りやすく、するする頭に入ります。所々差し入れられる笑いも絶妙で、壮絶な殺人事件でグロいはずなのにそう見えず、ライトに読ませてくれます。無駄な伏線はなく過剰な説明もなく、行間の空き方が何とも好み。取りこぼしもなく綺麗にまとめた最終巻、主人公の涙が痛いほど伝わってくる、いい読後感でした。また読み返したくなるんだろうなと思います。