レビュー一覧

篠原さんの初期の傑作。考え抜かれた無駄のない構図のなかで豹の強さ、美しさ、残忍さが映えて、とても雰囲気のあるお話になっています。さだめを背負って、子どもと愛する人を守るために戦った、倫子の最期は何回読んでも泣けます。最期のひと息、呼吸する間だけでいいから、２人に再会してほしかった。慎也が切なすぎた。この人はたぶん篠原作品の中で最も切ないヒーロー。でも他作品の相手役ほど分かりやすくないだけで、待つこと、耐えること、ヒロインを信じる強さにおいて他に追随を許さないヒーローだったと思う。その慎也と対比される小田切は、最後の読み切りでかなり人物像が分かるようになっていて、それもすごく良かった。倫子は彼を好きではなかったけど、慎也が彼を認めていたのも物語に深みを持たせていて良かった。曽根原薫子の背景もしっかりと描きこまれていて説得力があります。読み返すだに、とても２０代で描けるような作品とは思えない出来。子どもの頃はこの作品のテーマを「愛」だと思っていたけど、大人になってから読むと、これは差別のお話なんだなあと感じます。獣に変身する主人公は人か獣か？　人体実験は合法なのか？　人道に悖るのは薫子か倫子か？　私は、たとえ動物に変身して人を殺しても、どんな仕打ちを受けても「私は人よ！」とまっすぐに叫ぶことのできる、倫子の素直な誇り高さが好きです。倫子といえば麻衣と違ってやわやわしいイメージだけど、実は麻衣こそが周囲に守られた存在であって、倫子は最期まで戦士だったと思う。そして、自分には叶わなかった、変身することも人を殺すこともなく、愛する人の隣で生きて死んでいくという「普通」の人生を麻衣に残すという最後。大人になればなるほど、涙なしでは読めません。

闇のパープルアイは、慎ちゃんと倫子の関係に憧れました。サスペンス分野の、少女漫画の金字塔だと思います。

数十年ぶりに読みましたが、やはり話がしっかりしていて、子どもながらにそういう部分が魅力的だったのだろうなーと、改めてこの作品に感心してしまいました。色褪せる事ない、大好きな作品です。

男性キャラが切ないやつ！！慎ちゃん然り、小田切さん然り。（小田切さん憎めません）大昔に実写化されて大変残念に思ってました。案の定安っぽいドラマになってしまっていて…。ドラマしか見てない方、ぜひ原作読んでください。いい漫画なんですよ…。

昔はワクワクしながら読んだんですが、今改めて読みかえすと主人公たちの行動がワンパターンなので、ちょっと飽きるかな。マッドサイエンティストの先生の執念には脱帽します！

子供のときに初めてハマッた少女漫画が闇のパープル・アイでした。当時は結構残酷な話に、毎回夢中になったものでした。大人になって読み返すと、小田切さんがステキ(笑)スゴく大人びた漫画だったんだなぁ〜と思いました。曽根原先生の髪型…独特ですよね、小田切さんもだけど。倫子は女っぽくて、か弱くて…男心をくすぐるよなぁ。現代には存在しないような、貴重な奥手の女の子。

昔、夢中で読んだ作品で、懐かしい！何度読んでもおもしろいです。篠原千絵さんの作品はほとんど読んでます！どれもほんとに切なくて…読んだ後の余韻がすごくて、気持ちを切り替えるのが大変で。すごい作家さんだと思います。

小学生の頃に読みすっかり忘れていたのですが、こちらで1巻無料の時に見かけて、懐かしいなぁなんて思って読み始めたら……。止まらない!続きを読みたくて一気にお買い上げ。改めて大人になって読んでも、面白い作品。ストーリーも今でも色褪せない、素晴らしい。今の漫画には無い世界観が好きです。

学校で回し読みして、友達と夢中になってた漫画。懐かしい。今読んでも面白いです。

倫子と慎也の恋が切ない。もっとグロいシーンとかあるのかと思いドキドキしたが、そういうシーンはあまり描かれていないので良かった。小田切の最期のシーンは号泣。慎也の言う通り、曽根原なら躊躇なく‥‥です。なかなかいないくらいの悪党ぶりです。同情すべきところが全くない。