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…まず、設定は面白い。バカ男爵である父親の後妻と関係を持った放蕩者の公爵との決闘に父親の代理として男の格好で出向いたヒロイン。ヒロインの継母が夫に愛想をつかし、公爵を追いかけ回していたのに、ヒロインの父親が誤解して公爵に決闘を申し込んだのだ。実は公爵は銃も剣もかなりの腕前で、銃の弾は、ヒロインの肩にわざと外された。その後すぐに、公爵が決闘相手が女性だったと気づき、このままだと自分もヒロインも醜聞は避けられず、身の破滅だと考え、策を練る。結局、すったもんだの末、公爵とヒロインは結婚するが、なんか、ヒロインが意地っ張りで、社交界の仕組みとか全くわかっていないくせに、公爵が、わざわざ、ヒロインに良きとりはからいをしてあげようとするのに、素直じゃないヒロインは文句ばっかり！可愛げがない！そういう場面が延々と続く。公爵はそういう頑固で勇敢な女性は、今まで会ったことがないとかって、珍しいんだろうけど、読んでいて全然、ヒロインに感情移入できなかった。ひと回り以上年上でおまけに公爵で放蕩者として、いろんな経験をしてる男性に対して、まだ社交界にもほとんど出たことも無くて、世の中の仕組みさえ知らない男爵家の娘が何を偉そうに反抗してんだよって思った。ヒロイン、大した家柄でも知的でもなんでもないのに、ハンサムな公爵相手に生意気な態度ばかり。まあ、物珍しさで、好かれて良かったですね〜って思った。

ヒロインは若いけどお転婆ちゃんなので、公爵はどきまぎされっぱなしだったかも。ヒロインの立場を救うためにいろいろとお世話してくれるんですが、どうしてそこまで面倒をみちゃうのか自分でも解らないなんて言う公爵。そうせざるを得ない理屈もあるけど、無意識で虜になってる〜♪ ヒーローは豪な感じはしますがムカムカするようなシーンはなく、楽しんで読めました。

田舎暮らしのヒロインが、野心家の後妻の母親の我儘で、ロンドンに出て来ます。田舎では出来る事も、ロンドンでは、色んな意味で、不適切。レディの1人歩きなど。上流階級入りを目指す継母の執拗なまでの軽薄な言動故に、決闘騒ぎになり、これまた、世俗に疎く、実験にしか興味のない父親を護らなければ。と言う気持ちも、分からなくはないけど・・・ヒロインの言動は、田舎育ちの上、注意をする者が居ないと言っても、逸脱し過ぎ。ヒーローは、望まぬ結婚にならぬ様、それだけでなく、ヒロインの身の破滅を見て見ぬ振りも出来るのに、懸命に、救おうと動きます。余りにも、微笑ましいを通り越す、戴けない賢くない、じゃじゃ馬では済まない言動のヒロインに、後半、嫌気がさし、読む気が失せそうになったので、★を減らしました。王族の次に高位の公爵であるヒーローを慌てさせる処は、面白かったですが。

主人公が男装して決闘、相手はプレイボーイの公爵とかありきたりな設定でつまらないかもと思っていましたが、逆でした。ヒーローの行動の理由も書かれているし、ハッピーエンド後もきちんと描かれていてスッキリ読み終えられました。ただ、ヒロインが年の割にやってる事が幼過ぎて中学生と30過ぎた大人がもにょもにょやってる感じがしっくりこないのと、主人公の父親が馬鹿過ぎです（笑）