レビュー一覧

ＨＱの定番変身モノですが今回はヒーローが主役の作品。地味な幼馴染だった彼のロマンス小説を読んでムラムラしていくヒロインが可愛い。小説家志望の彼のセリフが結構粋で小洒落ていて会話が小気味よいです。身代わりで出版社との交渉を任せられた彼女に対しヒーローが徐々に主導権を握っていく様も面白い。結果我慢できなくなったヒロインにおねだりさせちゃう等決して草食系男子なんかじゃないですよ。終盤ヒーローが身バレした後の顛末と当て馬上司の安い悪役っぷり、脇役の適当さがやや残念。とは言えコミカライズよりも断然セクシーでワイルドなヒーローを堪能できます。

ガツガツしていない草食系ヒーローですが、なかなか素敵なナイスガイです。意外と厚かましく強引な世話焼きおばちゃんタイプのヒロインにはぴったりかも。成功するかわからない現状では、経済的に困っているヒロインとの未来は夢でしかない、と堅実なヒーローですが、楽観的で愛がほしいヒロインには伝わりにくいです。おもしろかったのですが、当て馬役の重役が半端状態だったり、2人の今後も気になるところで終わっていて、続きが読みたいです。

今まで読んだヴィッキー・L・トンプソンの作品の中で一番好きかも。家族の事も頼りない幼なじみの事も全部面倒見ちゃう母鳥タイプながら、交渉事になるとビジネスマインドばりっバリのヒロインと、一見頼りないけども大事なものは自力でつかみ取る作家志望のヒーロー。書いてるものは、さすがヴィッキーのヒーロー、まさかのロマンスものです。かっこいいルポとか作家と言えば定番のミステリーじゃないのよ。そして、作中で、ヒーローはロマンス作家として『成功を約束されている』けども、『まだ成功してはいない』のね。エピローグで、デビュー作が出版されて、数年後、作家として成功した姿とかもない。背の高さ＝人間的な大きさだったり、社会的地位や財力＝ヒーローの魅力って言うハーレの共通貨幣を使わず、でもちゃんとロマンスになってて、軽ーくあっさり読ませちゃう筆力凄いなぁ、と思うのでした。

コミックが面白かったので原作読みました。が、ヒロインのキャラがコミックと違います。原作では男らしさがあります。コミックはヘタレですが。ヒロインが大好きなヒーロー、よく頑張りました