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＊＊ストーリーのネタバレが激しいので未読の方はご注意願います＊＊舞台化もされた吉田秋生さんの名作。デビューから数年経っての連載で、当時の吉田さんは20歳…今読み返してみても、この深い物語を大学生が描いた事に感嘆します。後の『吉祥天女』や『BANANA FISH』同様に、当時の少女漫画雑誌の中では異彩を放っていて、この作品からずっと私の中で吉田秋生さんは唯一無二の漫画家さんです。ストーリーはカリフォルニアで裕福な家庭に育ったヒースが、厳格な父と優等生の兄との生活に自分の居場所を見つけられずに家出同然でNYにやってくる所から始まります。知り合いの絵描きのインディアン、スリの少年イーブらと新しい生活を送りながら自らの居場所を得る事で、だんだんと父や兄への確執を乗り越えるようになってくるのです。でもここでハッピーエンドとならないのが吉田さん。優秀で自分のコンプレックスの種だった兄テリーが事故で亡くなり、実は兄はずっと自由奔放なヒースを妬みそして憧れていたという事実。そして兄弟のように愛情を抱いていたイーブが実はゲイとして自分を愛していたんだという告白をして何者かに殺害される。イーブを殺した犯人だと疑われたヒースは、自らの手で真相を突き詰めるのですが、テリーとイーブという“本当に分かり合えていたはずの“愛する者たちがもはや存在しないという喪失感を抱えながら一人生きていくことになります。17歳の少年が耐え難い経験を経て、否応なしに大人になっていく切なさ… ヒースはそのまま皆の前から姿を消すのですが、ラスト　インディアンが「あいつのこと。忘れた頃にひょっこり戻ってくる」と断言しているのに救われます。40年以上前の作品なので新しい作品で吉田秋生さんを知った方には絵柄に戸惑うことかと思いますし、NYの風景と相まって暗く重たい雰囲気で決して読んで楽しい漫画ではありませんが、この当時から才能あふれるストーリーテラーだという事が実感できる名作です。

バナナフィッシュの大ファンでした。そして、この作品は、秋生先生の初期代表作と知りながら、読み出すと抜け出せなくなりそうで怖かった。迫力あります。

雑誌連載当時、小学生だった私はこの作品を読んで、アメリカの現実を知り、お花畑だった脳内が一気に大人へ成長しました。少女マンガなのに社会派な内容が魅力です。

もはや古典ではないでしょうか。なつかしく読みましたが、時代を感じさせない力強さがあります。

意見は分かれるとは思うが、ヒースの内面の苦しみってアッシュにも色濃く影響しているような気がする。吉田作品の世界観が好きな人には、BANANAFISHだけじゃなくこれも読んでみてほしいかも。

全巻割引セットでないかなぁ 懐かしくてドキドキします。これをお描きになった頃、先生は実際のアメリカに行ったことがないそうだとマンガ仲間と驚嘆したものです。この後に大友風になったりリバーフェニックスに嵌まったりしていくわけですが、私はこのころの絵が好き。これは少女漫画の歴史に名を遺す、良い作品です。

昔読んだ時はわけがわからなかったのですが、今読み返してみると雰囲気があって味わい深いです。私が子供だったんですね。

80年代のアメリカ西海岸やニューヨークの雰囲気が濃厚です。ドラッグやゲイの身体売りなどよく30年以上前にこんな刺激的な漫画が描けたもんだと驚きます。

子ども時代、まだ海外が遠い遠い存在だったころに読んだので自分の生きている世界と全然空気感が違う作品世界に惹かれました。ただラストはちょっと切ないですなあ。

すごく時代を感じますが、それが面白いです。昔はスクリーントーンとかなかったんですね。全部手書き。それでも引き込まれる表現力と人物の魅力。さすが吉田秋生先生！