レビュー一覧

「原作:雁屋哲」「作画:池上遼一」の最高傑作。この作品のクオリティを他作に期待すると痛い目に遭う。「今ライオンに襲われようとしているのに、ウサギが『強くなるまで待ってくれ』と頼めばライオンは待ってくれるか」といった持って回った言い回しが子供の頃はかっこよく見えた。主人公は流であるが、神竜の孤独にも共感を覚えるようになる。「カネと力を持つのが幸せか、友人に囲まれるのがいいのか」などと考え、単純なヒーローものから卒業するきっかけとなる作品。地下水路で高柳が仲間を選んで残り、機動隊を足止めする場面が一番の見所。

いい意味で今の漫画にはない男臭さがありますね。流の兄貴、堀田さん、倉本番長等、まさに理想の上司ですし、宿敵神竜も敵ながら見上げた奴で、某漫画の後半レギュラーキャラのモデルになってたっけ？最終回の結末や少年刑務所内で全次郎と五家宝連達の結成前のエピソードをもっと見たかったです。お気に入りのキャラは大田原源蔵です。

ブルースリー世代なので、懐かしく拝見しました。ラストが少し残念ですね💦

「男組」それは、人間社会に革命を起こそうとする青春不良ドラマの金字塔である。普通の学園不良ドラマ、喧嘩マンガの魅力もありつつ、他と大きく違うのは、その背景に「学生運動の興亡、そして挫折」という時代の空気を大いに感じさせるからだろう。流全時次郎は、太陽のような男で性善説に生きていく。神竜剛次は、月の様にクール、もっと言えば非情で「大衆は豚だ」と言い切る性悪説のエリートである。　神竜も流も拳法の使い手で地頭もいい。二人には大勢の人間が集まり、戦いは続く。もちろん流は皆に好かれる。神竜は、とことんズル賢く、また権力や金のチカラを使い流と五家宝連たちを追い詰めていく。しかし、物語が進むにつれ神竜の人生にもトラウマがあることが分かってくる。私は未だ子供だったので、この物語をリアルタイムでは理解できてはいなかった。なんて大人っぽい漫画だろう？高柳の亡くなる名シーンに涙が出た。

熱い！まさに昭和の熱血コミック。劇画の王道。主人公とライバルとの熾烈な闘いは読んでいて非常に面白かったです。

昭和漫画のノリと絵柄全開ですが予想以上に楽しめました。こういう男臭い漫画、意外と好きです。

子供の頃、親戚の家にあった少年漫画で男組を始めて読みました。当時は明るい学園ものが多い中で父親殺しで手錠をしている主人公は何か恐ろしかったです。今読むと、希望を失わず理想の国作りを目指すヒーローだったんですね。でも、理想のためには暴力を肯定するあたり、革命を信じていた当時の学生運動など時代も感じました