続・ミヨリの森の四季

ミヨリの森から三作一気に読みました。不思議な森の住人と、村と都会の人間達に囲まれて、確かに成長する少女の一年を描いた素晴らしい作品です。末永く読み継がれて欲しいと思いました。

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3部作の最終巻であるこの巻が1番感動しました。読んだあと、なぜか涙が流れました。

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ミヨリが人間としてどんどん成長してゆくことが、シリーズを通して読んで感動しました。人間だけではない自然を可視化して描くことで、その関係性を問う、とても稀有な作品。著者の他の作品も読みたくなりました。

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10年も前の作品なんですね。古臭い感じがなく、今とても大切なテーマだと思います。森を守る使命を持つ女の子が森に育てられ、森と人間が共存して地球の未来に希望を感じさせる終焉で、読み終わった後、清々しい気持ちにさせられます。

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三部作の1、2と読んで、ここまで一気に読みました。第1作目から今作まで、1年の間に主人公のミヨリは大きな成長を遂げ、他者との繋がりを一気に深めます。ミヨリと違って、私たちは精霊を見ることはないにしても、人間は大いなる自然から大きな力受け取るのだということを改めて感じさせる作品です。1作目から通奏低音のように響いている「他の人間との結びつき」というテーマが、この3作目では「恋愛」という文脈でも触れられます。ミヨリと血の繋がらない妹との間で迷う朔也が、第3の女性を選び、その選ばれた女性が、そのことを理解しつつ、彼との関係（婿入りしてくれる予定の婚約者）をあっさりと受け止め、なおかつ少女達との友情を築く姿も面白いのですが、それに対比するように描かれるのがミヨリの母親で、恋愛に期待して男性と関係を持ち、その結果として産む自分の娘たちに対しても、成長に関わろうとしないのに、心理的に影響力を持つ存在であろうとします。彼女はこの作品の中では異色な人（ある意味都会を象徴する人）として描かれ、故に恋愛にも期待し続け、なおかつ裏切られる女性となっています。この作品の中では、異性間の恋愛だけが突出して大切な人間関係とは描かれず、むしろ同種の力を持ったり、心が響き合うということが、人と人との繋がりを決定する要素とされており、非常に面白かったです。

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