救命艇

第二次世界大戦の大西洋上で、一隻の輸送船がドイツ軍ボートの攻撃を受けて撃沈された。残骸が海に漂う中に、ボートが一つ浮かんでいた。乗っているのは夫人記者のコニーで、平然と煙草を吸っている。そこへ、泳ぎ着いた男コバックが助けを求めた。コバックはエンジン室の技師で、逞しい肉体の持ち主である。もう一人泳ぎ着いたのは無線技師のスタンリーであった。また、その後3人の男女が泳ぎ着き助けられた。富豪のリッテンハウス、看護婦のアリス、脚に負傷を負った水兵ガス。続いて、コックで黒人のジョーが、赤ん坊を抱いたイギリスのヒギンズ夫人を抱きかかえるように泳いできた。アリスは赤ん坊に人工呼吸を施したが既に死んでいた。ヒギンズ夫人は錯乱状態で我が子を抱きしめる。そこへ、もう一人の手がボートのへりにかかった。輸送船爆破のあおりを受けて沈没したボートの生き残りドイツ兵ウィリーだった……。