母のバッカス

私の母はお嬢様育ちで、現実の世界の生活には向かない人でした。思い通りにならないと、すぐに感情的になって、ヒステリーを起こす、暴力を振るう。父や弟の前では、本人は、無意識、無自覚に猫を被る。そんなに怒らせるような事はしていないと、私は死んでも謝りたくなくて、ご飯も食べずに押し入れの中で、つっかえ棒をして暴力ヒステリー母が入れないように、ふて寝してた。そんな母に対して、物心ついた時から、常に冷たい軽蔑の眼差しで見てしまっていた私。母は辛かっただろうな。自分に懐かない子供を育てるのは。私が親になって、子供に懐かれているので、そう思います。私は、可愛げが全く無かった。あなたが出ていって、せいせいするというのは、「行かないで」と言えない、精一杯の強がりなんだろうなと思います。たとえ、冷たい目で見られようとも、側にいて欲しかったんだろうなと。凄い良いお母さんだなぁと他人の私目線だと思えるけれど、潔癖な思春期の娘さん目線だと、嫌でたまらないんでしょうね。でも、ホント、子供を女手一つで育て上げるこのママさんの方が生活力ないママより何倍も魅力的。私の母は、私には甘えていたんだろうな。私は持たれかかられて、潰れそうだったから、さっさと家を出てしまったけれど。娘だから分かってくれるだろうって、甘えて感情をぶつけてきてたんだろうな。理解できる程、大人じゃなかったし、全然気持ちに寄り添えなかった。今現在も、大嫌いで、大好きな人だと思う。離れて暮らす母のことを思い出さざるを得ない、作品でした。犬が良い味を出し過ぎてて、最高。犬好きにはたまらない。可愛過ぎます。

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一気に読みました。自分の思いと重ねて、何度も泣きました。私はまだ、母を許せないけど、気持ちのどこかに、この主人公のように、理解して好きになりたいと思ってるのかなと、気づきます。犬は良い。

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