風の大地 65
鹿沼C.C.の全職員、そして妻・麗子、二人の子供に見送られ、沖田は7年ぶりに試合に出場するために鹿沼を離れる。向かった先はスコットランド。最も歴史のあるメジャートーナメント・全英オープンに出場するために……レディバンクGCで開催される最終予選会から出場する沖田。上位5名だけが全英オープンへの出場資格が得られる厳しい試合に挑む。メジャートーナメント初優勝を目指し、“風の大地”スコットランドに舞い戻ってきた沖田にゴルフの神は微笑むのか。それとも……【全204ページ】
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風の大地
栃木県鹿沼カントリークラブの研修生、沖田圭介は、24歳と、年齢的には遅いスタートながら、プロゴルファーを目指すべく日々練習に明けくれている。だが、沖田はまったくの素人であるため、まだ上手に球を打つことができない。
(※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています)
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みんなの感想
友情・仲間 (1人)
風の大地 1
栃木県鹿沼カントリークラブの研修生、沖田圭介は、24歳と、年齢的には遅いスタートながら、プロゴルファーを目指すべく日々練習に明けくれている。だが、沖田はまったくの素人であるため、まだ上手に球を打つことができない。【全223ページ】
風の大地 3
沖田の弱点はパットである。弱点を克服しようと、練習に励む沖田だが、鹿沼の重いグリーンでは、思うように球が進まない。その様子をみていたグリーンキーパーの小平は、グリーンの芝を改造してしまう。【全232ページ】
風の大地 4
球質が悪くなってきていることに悩んでいる沖田。練習の様子を見に来た宇賀神は、沖田が使っているクラブを見て、クラブがヘッドスピードを支え切れていないことに気付く。そこで宇賀神は、1本のドライバーを沖田に渡した。それは、今まで誰にも触らせたことのない大切なクラブだった。【全233ページ】
風の大地 5
プロテストが終わってから2か月が過ぎた。沖田は、プロになったものの、まだトーナメント戦の出場資格は持っていない。そんな沖田に、資格を得る前に腕試しとしてアジアサーキット全戦に出場させてはどうかと、小針プロから提案があがった。【全220ページ】
風の大地 6
フィリピンで行なわれているアジアサーキット第1戦で沖田と組んでいるキャディ、チッタは、サーキット全戦を一緒に転戦して欲しいと沖田から言われた。だが、チッタは一家の大黒柱でもある。3か月間のサーキット開催中の生活費を案じ、彼の家族は複雑な心境だった。【全212ページ】
風の大地 7
タイで行なわれるトーナメント第2戦初日に寝坊をしてしまったチッタ。自分へのふがいなさと、沖田への申し訳ない気持ちから、フィリピンへ帰ろうとする。だが、憔悴しきったチッタの様子から、何かを察したタクシーの運転手に「忘れ物はないか」と尋ねられ、沖田に一言謝ろうと決心、トーナメント会場へ向かう。【全208ページ】
風の大地 8
アジアサーキット第2戦最終日プレーオフ、呂西釣(ろせいきん)の第2打目。沖田の会心のショットの後、呂は、2オン狙いで勝負に出た。焦りからか、呂は一瞬力んでしまい、ボールを小川に落としてしまう。ミスをしたにも拘わらず、不敵な笑みを浮かべる呂を見た沖田は、プレッシャーを感じるのだった…。【全214ページ】
風の大地 9
アジアサーキット第10戦最終日、沖田は、8番ホールでの第1打目を林に打ち込んだものの、松葉の隙間にボールを打ち、グリーン上にうまく乗せた。一方、ディボットバンカーの中にボールを落としてしまったジャンボ尾崎は、焦りのために、思い切ったプレーができない。【全211ページ】
風の大地 10
鹿沼に帰ってきた沖田は、彼に異様なまでの敵愾心を持つ研修生の長谷川博とプライドを賭けたホールマッチを行なう。どちらかが負ければ、相手のキャディをしなくてはならない。沖田に負けまいと、長谷川は日頃の練習の成果をここぞとばかりに発揮するが…。【全213ページ】
風の大地 11
日本プロゴルフ選手権最終日3番ホール。沖田は、だんだん強くなってくる風の動きを読もうとしていた。プレーを始める気配がない沖田に、彼のキャディをしている長谷川博は苛だち、沖田になにかとつっかかる態度をとってしまう。【全206ページ】
風の大地 12
17番ホール、林の中からの沖田のショットは、そのままカップに落ちた。ピンチを感じたジャンボ尾崎は、慎重にパットを決め、かろうじて首位を守った。一方、鹿沼でテレビ中継を見ていた鹿沼のグリーンキーパー、小平は、秋田にいるはずがない娘、明美の姿を目撃してしまう…。【全205ページ】
風の大地 13
7月上旬、全英オープンを3日後に控えた沖田は、雨の中、最後の調整をしていた。練習の様子を見にきた笠崎は、気をきかせ、物部父娘を鹿沼に呼ぶ。沖田は、麗子と静かな語らいの時を過ごした。【全205ページ】
風の大地 14
沖田は9番ホールの第2打で、ミスショットをし、ボールをグリーン左の茂みの中に落としてしまったものの、第3打でグリーンの上に乗せた。トップの成績である河内は、順調にショットを決めていった。【全208ページ】
風の大地 15
全英オープン3日目、決勝ラウンド。沖田は日本人ゴルファーである河内と回ることになった。河内は、実績が浅い沖田と回ることに反発を隠しきれないでいた。そして1番ホール。沖田の第1打は深いラフの中に落ちてしまった。【全213ページ】
風の大地 16
12番ホールでの深いラフからの沖田のショットは、強い風に流され、フェアウェー横のラフの中に落ちた。ロストボールになるかも知れない状態であったが、野菊の花びらがかろうじてボールを支えており、見つけることが出来た。少しでも草が揺れるとボールが落ちてしまうような微妙な状態であったが、沖田は絶妙のショットを決める。【全208ページ】
風の大地 17
ターンベリーでの全英オープン最終日、4番ホール。向かい風が徐々に強くなっていった。沖田が放ったアイアンショットは、ミスと言えるものではなかったが、曲がってしまい、レスキュー草の中に落ちてしまった。続くノーマンは、ベテランらしくボールを上手くグリーン上に乗せる。ノーマンのショットを見た沖田は、向かい風の時の打ち方を勉強した、と嬉しそうにリリィに伝えるのだった。【全205ページ】
風の大地 18
ターンベリーでの全英オープン最終日、16番ホール。ノーマンのボールはピンまで残り71ヤード。フォロー風のため距離感がつかめず、サンドウェッジでもフルショットが出来ない状況だ。しかし、ノーマンは臆することなくフルショットし、ピン横につける。このショットを見た沖田はノーマンともっと戦いたい、そして勝ちたいと強く思うのだった。【全208ページ】
風の大地 19
全英オープンの最後のパットを奇跡的に決めたことで沖田は、トップのノーマンと並んだ。あとは、ノーマンが5mのパットを決めるか、外すかで勝負が決まる。ノーマンの優勝か?プレーオフか?ノーマンの注目のパットが、今打たれた!!【全205ページ】
風の大地 20
全英オープン準優勝の直後、キャディを務めたリリィを突然の死で失った沖田。その悲しみを乗り越え、全米プロ選手権出場のため、アメリカに向かった。しかし、いくら練習してもスイングはバラバラ。傷心の沖田は、毎晩一人で下町のジャズハウスに向かい、沖田は酒を飲むわけでもなく、ひたすらサックスの演奏を聴くだけであった。【全205ページ】
風の大地 21
全米プロ初日、沖田はスランプを乗り越えるキッカケをつかむため、レディスシャフトのクラブを使うことにする。これが良かったのか、15番ホールではイーグルを取り、復活の兆しが見えてきた沖田だったが、16番ホールでの第一打を林の中に入れてしまう。【全205ページ】
風の大地 22
コングレッショナルCCでの全米プロ選手権3日目。大会中、スランプが続く沖田だったが、10番ホールで二打目をピン右の“ベタピンショット”を放つ。ここでバーディを取りたい沖田はパッティングの際、研修生のときに亡くなった宇賀神に言われた「パッティングは、目線を悩ませちゃいかん。」という言葉を思い出した……。【全205ページ】
風の大地 23
全米プロ選手権・最終日。沖田は、1打差でトップをゆくウォーレンと同じ最終組となった。9番ホールで、第2打を深いラフに入れてしまったウォーレンだったが、運が味方したか、リカバリーが決まり、バーディで終わった。これを見た沖田は、動揺してしまい……【全204ページ】
風の大地 24
全米プロ選手権、最終日17番ホール。完璧なプレーで知られるシルバー・スコット・ウォーレンのボールが、グリーンを越え池の中に!沖田のバーディを直感したウォーレンがミスを犯したのだ。そして、沖田の第二打。師・宇賀神の教え通り、攻めの姿勢でピンデッドを狙った沖田のボールは……。【全206ページ】
風の大地 25
沖田が自信を持って放った2度目のティショットは、またしても池の中に。その結果、2位強敵ウォーレンに対して持っていたリードを、全て失ってしまう。しかし、このショットの結果に納得できない沖田が次に取った行動は、誰もの予想を超えたものだった。【全206ページ】
風の大地 26
突如、現れた傲慢な3人組を相手に、賭けゴルフの勝負に乗ることを決めた沖田。人の心を踏みにじる相手に対し、沖田は静かな闘志を燃やす。ルール決定に際し、相手の条件をすべてのんだ沖田だったが、その条件は自身に不利なものに。さらに3人組の実力が想像以上であることが発覚し…。【全206ページ】
風の大地 27
3人組との賭けゴルフ勝負は9番ロングホールに突入。だが、度重なる小川の卑劣な行為に沖田の怒りは爆発寸前に。そんな沖田に対し、敵であるはずの宮寺は、とにかく耐えるよういさめる。その宮寺の態度に、なにやらいわくを感じた沖田は、宮寺の過去に興味を抱く…。【全208ページ】
風の大地 28
16番ホールの小川の第2打は、グリーン手前のバンカーのあごに突っ込んでいた。計算通りの飛距離のはずなのにおかしいと、いきり立つ小川。沖田は、排水口の位置が移動したことを知らなかったから距離を誤ったのだと告げる。さらに、ミスショットが続く堀田が、賭けに負けた時の責任を小川に押し付けようとする。怒った小川は…。【全226ページ】
風の大地 29
沖田あてにトーナメントのエントリーシートが届いた。これで沖田は国内全部の、そして海外のトーナメントにも出場できるのだ。その頃、沖田は板の上からロングアイアンでボールを打つ練習を始めていた。プロにとっても最も難しい練習をミスなくこなす沖田に、周囲は驚きを隠せない。その夜、笠崎と一緒に食事をした沖田は…。【全204ページ】
風の大地 30
交通事故によるケガが回復した笠崎は、自分がプロで通用する体に戻っているかどうかの判断を沖田に委ねた。沖田の前で笠崎の打った一球勝負の球は、球筋、飛距離ともに完璧だったが、沖田に笑顔はない。ケガのため左足が短くなり、そのせいでスウィングが変わってしまっていたのだ。この事を告げる沖田に、笠崎は……。【全204ページ】
風の大地 31
ドバイ・デザート・クラシック初日、2番ホール。沖田と同じ組で回るウィリーとべネットは、共にティショットをバンカーに入れつつも、それぞれの持ち味を見せてパーでまとめた。そのころ、優勝候補と目されるウォーレンが、スタート前の練習を開始。そして、同じく優勝候補の“神の子”アベルが、観衆の前に姿を現して……。【全204ページ】
風の大地 32
ドバイ・デザート・クラシック3日目、コースにはドバイ特有の突風が吹き荒れていた。ヨーロッパの天才と呼ばれるアベルの激しくむき出しの闘志に触れて、自分のゴルフを顧みた沖田は、多くの人の導きに感謝しつつ、あらためてトーナメントを制することを誓うのだった。強力なライバルたちがひしめくなか、果たして沖田は……?【全204ページ】
風の大地 33
ドバイ・オープン3日目、辛うじてトップを守りつつも、沖田のスコアは伸び悩んでいた。その最終ホール、2オンを狙い、アゲンストの風が吹くなかチャンスを待つアベルと、沖田の両者は気迫を込めてにらみ合っていた。そこにトップを狙う2位のウィリーや3位のウォーレンも到着して…!?【全204ページ】
風の大地 34
ドバイ・オープン最終日、9番ホール。2位に4打もの差をつけているにも関わらず、沖田はペナルティを払わずに水際からショットを打った。ゆるやかに飛んでいくボールを見て、誰もがハザードは越えられないと考えていた時、なんとボールの回転が変わりはじめて…!?【全204ページ】
風の大地 35
ドバイオープンで優勝が決定し、沖田は記者達に囲まれてインタビューを受ける。結果的には2位以下に8打差と圧勝のように見えたが、実際には大きな葛藤や重圧があったことを、素直に沖田は語っていく。その様子をテレビの中継でじっと見ていたアベルは…。【全204ページ】
風の大地 36
クラブ職人・杉山に出会い、マスターズを攻略するカギとなる“ドローヘッド”の製作を依頼した沖田。だが、その後も不安感から眠れない日々は続いていた。この日も寝付けなかった沖田は、気晴らしに真夜中のトレーニングに出かけるが、その途中、庭先で木を削ることに没頭する杉山の姿を見て…。【全204ページ】
風の大地 37
沖田がアメリカへと旅立つその日。友人やクラブの従業員たちは、沖田を見送ろうと鹿沼カントリークラブのクラブハウス前に集まっていた。笠崎や石原、支配人、石倉といったおなじみの面々をはじめ、キャディたちも激励の言葉をかける。そんな人々の思いを受け止め、全力を尽くして闘うことを誓う沖田。そして舞台はアメリカ・ジョージア州へ。オーガスタ空港で沖田が出会ったのは…?【全204ページ】
風の大地 38
マスターズ初日、8番ホール。ここまで5アンダーで首位の沖田は、このホールのティショットも絶好調である。抜群の飛距離にギャラリーが歓声を送るなか、それに触発された同組のベテランゴルファー、アーニーも珍しく渾身のショットで後に続く。そして注目の2打目、残り230ヤードで沖田が選択したのは、なんとドライバーで…。【全204ページ】
風の大地 39
皆が寝静まった沖田の宿舎。窓から漏れる明かりの中、薄暗いベランダでクラブヘッドの加工に没頭しているのは杉山健三。沖田からの難しい注文を実現させるために繊細な作業に集中する姿は、まさに“職人”である。そして、夜を徹したその作業も無事に終わりを告げ、迎えたマスターズ3日目の朝。そこには、ひと時の安らぎの中で将来を語り合う沖田と麗子の姿があった…。【全204ページ】
風の大地 40
マスターズ3日目・11番ホール。競技委員の判定に怒りを露わにしながらも、クレッグは“ルール通り”先に打つことを選択した。すると、自分のボールをマークしようとする沖田に、クレッグから不可解な提案が。「球の下にティを埋め込み、その上にコインを置いてくれ」というのである。さらにそれは、「何かが起きた時に沖田を救済するためのアイデア」と語るクレッグだが、その思惑とは一体…!?【全204ページ】
風の大地 41
マスターズ最終日、最終組でプレーすることになった沖田。石倉や老キャディのジョー、恋人の麗子など、沖田を囲む人々は勝利を信じて見守り続ける。しかしそこには、オーウェン兄弟という高く厚い壁が立ちはだかり…。【全204ページ】
風の大地 42
マスターズ最終日最終組。ブラッド・オーウェンは持ち前の研ぎ澄まされた感覚を駆使して、冷静なプレー運びを見せていた。アマチュアながら首位をキープし続ける強敵相手に一歩も引けない沖田だが、その体には異変があらわれ出して…!?【全204ページ】
風の大地 43
マスターズ最終日、中盤の勝負所がやってきた!現在沖田は、アマチュアながら首位を走る強敵ブラッド・オーウェンを追うが、具合の悪くなった左足に不安を抱え、苦戦する。だが、どんな辛い状況下でも沖田は常に前を見続け、前進する!!【全204ページ】
風の大地 45
マスターズ最終日。首位を走るブラッド、猛追するシルバー・S・ウォーレンとアベル・コスタ。最大の武器である飛距離を捨てた沖田は、彼らにどう立ち向かうのか!?残り5ホール、オーガスタの戦いが熱い!!【全204ページ】
風の大地 46
マスターズ最終日。首位を走るブラッド・オーウェンは、風に翻弄されてスコアを落とし始める。熾烈を極める首位争いに、左足を痛める沖田は食い込めるのか…!?佳境にさしかかるオーガスタの戦いから目が離せない!!【全204ページ】
風の大地 47
マスターズ最終日。17番ホールでイーグルをもぎ取り、再び首位に立ったブラッドと、それを追うシルバーとアベル。そして沖田は、限界を超えた左足で戦い抜けるのか…!?激動の最終ホールへ!!【全204ページ】
風の大地 48
マスターズ最終日。18番ホールでバーディをとり、‐20で首位となったシルバー。沖田が優勝を果たすには、自身もバーディをもぎ取らねばならないのだが、沖田の球は最悪のライへ…!!【全206ページ】
風の大地 49
マスターズ最終日・18番ホール。シルバー・スコット・ウォーレンとのプレーオフに望みを繋ぐ沖田の一打は、奇跡を起こすのか?痛めた沖田の左足は…!?世界の頂点をかけた、熱き男たちの4日間にわたる死闘、ついに終幕!!【全204ページ】
風の大地 50
筋肉骨膜剥離の診断を受けた沖田の左足は、骨膜剥離の名医・ドクター平尾によって手術が無事成功。そのまま米国で静養することになり、焦る気持ちを抑え、治療に専念する。リハビリと痛みへの恐怖という、己との闘いが始まる…。【全204ページ】
風の大地 51
わずかな不安は残るものの、米国を離れ帰国の途についた沖田。日本で彼を待っていたのは、予期せぬほどの大フィーバーだった!その熱狂の中、親友・笠崎のプロテストと時を同じくして、沖田は大切な帰国第一戦に臨む!【全204ページ】
風の大地 52
沖田の研修生の先輩にして、親友の笠崎。すでにプロとして先を行く沖田と同じ舞台に立ちたいと、プロテストに挑む。同時に帰国第一戦を戦う沖田に引っぱられるかのように笠崎は絶好調。ぶっちぎりでトップ合格に突っ走っていた。しかし、その笠崎をアクシデントが襲う。彼の優しさゆえか、不吉な予感は広がっていく…大きく飛躍するためには、一度その分だけかがまねばならない。今はその時と信じて…優しすぎる男・笠崎の、魂の戦いから目が離せない!【全204ページ】
風の大地 53
沖田の親友・笠崎は、単独首位の‐11でプロテスト最終日・18番ホールに挑んでいた。1打目、2打目と完璧な球を打った笠崎……だが、その手からクラブがこぼれ落ち、空気を裂くような絶叫が千成ゴルフクラブにこだまする。観衆、プロテスト受験仲間、競技委員…誰もが笠崎のプロテストトップ合格を信じて疑わなかった。その矢先に、笠崎の胸部筋断裂が発覚する!!即刻の手術を必要とする程の重傷のため、プレーの途中棄権を医者に勧められるが、躊躇することなく笠崎は断る。『一日でも早く、沖田と同じティに立ちてえんだ!!』その強き思いに突き動かされ、笠崎は自らのゴルフボールを追い、一歩、また一歩、激痛に耐えながら18番ホールカップを目指す。果たして、ゴルフの神は笠崎に微笑むのか……さらに厳しい試練を与えるのか……笠崎の魂を込めた戦いの結末は如何に!!【全204ページ】
風の大地 54
観衆、プロテスト受験仲間、競技委員…誰もが笠崎のプロテストトップ合格を信じて疑わなかった……その矢先に、パターさえもまともに打てないほどの重傷が発覚する笠崎孝。仲間の熱い祈りとプロテスト合格を信じる沖田の真っ直ぐな想いに突き動かされ、笠崎は一歩、また一歩と、激痛と不運に耐えながら、ついに最後の一球を放つ!!そして、その長く苦しいプロテストも、ついに幕を下ろす。果たして、笠崎の悲願は達成されるのか───!!【全204ページ】
風の大地 55
「どうやら俺はプロテストの神様に根っから嫌われちまったようだ」沖田の無二の親友、笠崎はプロゴルファーになるという一途の夢を叶えることができなかった。そして、誰にも行き先を告げずに、ただ一人北へ北へと当てもなく歩き始め、深い森へ消えて行った。沖田が想い…石倉が想い…鹿沼の地に寄りし皆の想いに目をそむけ、笠崎は逃避行を続ける。一体、いつまで続けるのか、笠崎の逃避行!!沖田は笠崎に再会することは出来るのか――!!【全204ページ】
風の大地 56
師であり友でもある、笠崎との離別。心無き者からの不条理であくどい嫌がらせ。長引く足の怪我による全英オープン棄権……畳みかけるように数々の試練が降り注ぐ中、沖田はある決断を下した。それは……プロゴルファーとして戦うために万全な状態に戻るため暫くの間鹿沼を離れるというものだった。そして、全英オープン棄権から5か月。沖田は突如、オーストラリアオープン会場に現れた。新天地・オーストラリアで快音を響き渡らせることができるのか!?再び、世界を翔ることができるのか!?沖田の新たな挑戦は、ここ赤い大地・オーストラリアで幕をあげた。【全214ページ】
風の大地 57
3年連続全豪アマチュアチャンピオンに輝いた天才ジュニアゴルファー、フレディ・シューター。オーストラリアの若手選手の中で実力No.1、マイケル・ネルソン。この二人と同じ組でオーストラリアオープン予選・初日をラウンドすることになった沖田圭介。沖田にただならぬライバル心を抱くマイケルは、執拗に沖田を挑発しながらプレーをする。フレディはじっと機会を伺いながら堅実なプレーをし続ける。勝利の最先端に立っているのは一体誰か!?2日目のラウンドが始まる――…【全204ページ】
風の大地 58
オーストラリアオープン、決勝ラウンド初日。若手実力派・マイケルと沖田圭介。そして、マンデートーナメントから勝ち上がってきた怪しい風体の男・バリー。その3人が最終組に残った。バリーに鋭い眼差しを向けていたマイケルが突如、賭ゴルフをバリーに持ちかける。大金を得るために、話にのったバリーは巧みな謀略をめぐらす。マイケルがバリーに抱く復讐の炎とバリーの謀略とが激突する!!【全204ページ】
風の大地 59
マイケルが抱く復讐の炎とバリーが張り巡らす謀略がぶつかり、醜い闘いが熾烈を極める。そんな中、ある記憶がバリーの頭の中をよぎる……遠い昔にマイケルと賭ゴルフをおこなった記憶が。少年だったマイケルと親父を地獄に叩き落とした記憶が。この試合が単なる賭ゴルフではなく、遺恨勝負だということに気付いたバリーはより複雑な謀略を張り巡らす。それは、己のゴルフに邁進する沖田にも暗い影を落とし始める……オーストラリアオープン、決勝ラウンド初日も終盤に差し差しかかってきた。最終日に最終組でまわるかどうか……それは明日を、未来を左右する運命の分かれ道。沖田、マイケル、バリー、そしてフレディの闘いは…!?【全204ページ】
風の大地 60
父親を拉致されたマイケル。遺恨勝負をマイケルに挑まれているバリー。己のゴルフに邁進する単独首位の沖田圭介。最終組3人はそれぞれの思惑を抱きながら、オーストラリアオープン・決勝ラウンド最終日の7番ホールに立つ。ピンがしなるほどの風、経験も勘も全く役立たないほどの強風が吹き始めた時、男達の思惑は狂い始めた。その様子を黒服の男がギャラリーに混じって、じっと伺っている……そして隣に立つ強面の男にそっと耳打ちをした……「用意は出来たか?」と一言。復帰第一戦、沖田は優勝を飾る事が出来るか?勝負は佳境に入っていく。【全204ページ】
風の大地 61
沖田のフィアンセ、物部麗子がさらわれた・・・!?他の追随を許さぬ勢いの単独首位・沖田圭介に突然届いた悪報。麗子をさらった犯人は得体が知れなかった黒服の男達!彼らの要求はたった一つ。手中に収めつつある優勝を18番ホールで放棄すること・・・不条理な謀略と、麗子のもとに駆けつけられない自分の無力さに、沖田の怒りは頂点に達し・・・そして、沖田はある決意を固めるのだった。【全204ページ】
風の大地 62
沖田圭介のフィアンセ・麗子が人質に取られた。犯人である黒服の男達は沖田に最終ホールで優勝を放棄するよう要求してきた。記者・木曽とジョニーは麗子が捕らわれている場所を探し当て、突入を開始!同じ頃、沖田は18番ホール第2打地点に立つ。故意にミスショットするしか麗子を救う道はない・・・・己のゴルフを捨てる決意を固めた。奇跡は起きるのか。それぞれの願いが交差する!!【全204ページ】
風の大地 63
モロッコで開催されたハッサン国王2世トロフィーも最終日を迎えた。常に完璧なゴルフを求めてきた沖田にとって、何か一つでも崩れた時の代償は大きいのかもしれない…………スウィングできぬ程、クラブを重たく感じる。ダンベルを持つかのように球を重たく感じる。一つ一つ丁寧に技術を磨き上げてきた沖田のゴルフが崩れ始める!?心の声を知るは己のみ――――ゴルフ人生始まって以来の危機が沖田に襲いかかる!!【全204ページ】
風の大地 64
モロッコのハッサン国王2世トロフィーで、キャディとして沖田を支えてきた陳が突然姿をくらませた。帰国した沖田のもとに、陳から決別の手紙が届く。共に戦っていける、生涯の友であると思っていただけに、陳の別れの言葉は沖田の心に深く突き刺さる。さらに、新シーズンに向けて、鹿沼CCで自主トレーニングを積む沖田の目の前で多くの犠牲者を出す大惨事が起きる。様々な事柄が頭をよぎり、自責の念にかられた沖田は、誰にも何も告げずに静かにゴルフから離れていった………………【全204ページ】
風の大地 65
鹿沼C.C.の全職員、そして妻・麗子、二人の子供に見送られ、沖田は7年ぶりに試合に出場するために鹿沼を離れる。向かった先はスコットランド。最も歴史のあるメジャートーナメント・全英オープンに出場するために……レディバンクGCで開催される最終予選会から出場する沖田。上位5名だけが全英オープンへの出場資格が得られる厳しい試合に挑む。メジャートーナメント初優勝を目指し、“風の大地”スコットランドに舞い戻ってきた沖田にゴルフの神は微笑むのか。それとも……【全204ページ】
風の大地 66
全英オープンに出場するための最終予選会・最終日。キャディのルディが風邪でリタイアし、一人でバッグを担ぐ事になった沖田。そこに突如現れたスザンヌという女性――――9年前に全英オープンに挑んだ時のキャディ、リリィ・マクガンに姿も表情も仕草まえも総てが似ていた。胸が波立つ沖田―――なぜなら、リリィは此の地にあの日からずっと眠り続けているはずの女性だから―――――――【全204ページ】
風の大地 67
予選会を突破し、全英オープンへの出場を果たした沖田圭介。熾烈な戦いを繰り広げてきたかつてのライバルも全世界のマスコミも沖田の1番ホールに注目していたが……沖田はドライバーを握り、ティグランドに立った。狙いはワンオン…………1打目でグリーンを狙うのみ。戦略一つない無能無謀のゴルフか。人跡未踏のゴルフが己の途か。7年間一度もクラブを握らなかった男の判断力は、異次元の領域に達していた………“一日の中に四季がある”空模様。北海から吹きつける強風。あるがままの大地。ゴルフの聖地セント・アンドリュースにて、沖田は世界に挑戦する!!【全204ページ】
風の大地 68
“今日使ったクラブは総て飛び過ぎている”――スウィングに乱れはないが、飛距離が総て想定より飛んでしまう……原因が自分でもまだ理解できずにいる沖田。己の体を己自身で確かめる途を歩みはじめた沖田に打開策はあるのか!?その最中、並み居るスター選手を抑え、スコアーを伸ばし続ける若手選手がひとり……その名はポール・コフマン!!【全202ページ】
風の大地 69
「人生に奇跡は起きても、技術に奇跡は起きない。半端な技術と打ち方を試合で使うな」今は亡き宇賀神の言葉が沖田の脳裏に浮かぶ―――――他を圧倒するパワーで300ヤードをはるかに越えるドライバーショットを放ち続けたためにドライバーが折れてしまった……名物17番ホールを攻略するためには宇賀神の教えに背き、まだ修得できていない新たな球質で攻めなければならない。沖田しか見えない異次元のゴルフ。沖田が見失いつつある坦坦たるゴルフ。全英オープン優勝へ続く途は、果たしてどちらか。【全204ページ】
風の大地 70
全英オープン初日・最終ホール。沖田はティショットで会心の“棒の球”を放ち、ワンオンに成功。しかも、球はピン側(そば)2mに!!観衆は沖田の豪打(ごうだ)に沸いているが、試合勘を欠く沖田はパットを打つ勇気をむしり取られていた。「外す様では、明日のスコアを伸ばすのは困難だ」アンガス爺さんの呟(つぶや)きが意味するものは!?冷静に、慎重に沖田が放つパットの行方は!?【全204ページ】
風の大地 71
雨では消えぬ男の熱情を感じろ!!全英オープン2日目――パッティングの不調がショットのリズムにも影響を及ぼし始めた………沖田は今まで経験した事のない“迷い”の中にいた。“不安”は人を駆り立てる。未来にではなく、過ぎ去りし過去へと。沖田は静かに呟く、「宇賀神さん…………」と。ゴルフの聖地セント・アンドリュースに突然降り始めた雨が、容赦なく沖田の不安感をあおる。猛チャージで予選突破なるか!? 緊迫のラウンドが続く!!【全259ページ】
風の大地 72
沖田、首位をとらえる!!圧倒的な強さを持つ沖田が戻ってきた!!全英オープン2日目。パッティングの不調を感じながらも、10バーディ1イーグルの12アンダーで13番ホールをむかえる。徹底的にドライバーの飛距離にこだわる姿は狂気のゴルフを生みはじめる………しかし、驚喜の渦中にいる沖田は、己が狂気に取り憑かれていることにまだ気づいていない。ゴルフの神はいつの日も、選手の運命を弄ばずにはいられない……【全204ページ】
風の大地 73
沖田圭介、新たな相棒と歩みはじめる!過去に囚われない者に、躊躇する心は生まれない――全英オープン初日とは打って変わり、2日目は1イーグル10バーディと盛り返してきた沖田だったが、17番ホールで打球が乱れ、11打も叩いてしまった。己を貫くゴルフに限界はないのか!?沖田に試練の波が容赦なく押し寄せる。一方、キャディを務めるルディは自責の念に駆られ、沖田との別れを決意する。大会3日目、沖田のバッグを新たに担ぐ者は!?【全208ページ】
風の大地 74
波乱のムービングサタデー!!大会3日目。8年前のマスターズ・トーナメントで沖田が途中棄権した プレーオフ以来の同組対決が実現した!!ライバル達が注目する中、ティショットでビッグドライブを放つ二人。世界ランキング1位ウォーレンの安定したショット。崩れないパターのリズム。迷いの無いストローク。対する沖田は、パッティングのバランスに違和感を感じていた。鈍色の空に夏草の輝きが奪われていく。白球に賭ける男達の正念場が始まる!!【全208ページ】
風の大地 75
男の意地は原動力!! 石倉、正念場!! 全英オープン3日目。バックナインに入ると強烈なアゲインスト風で、沖田はスコアを伸ばせずにいたが、ウォーレンはスコアを伸ばし続け首位を独走していた。二人の男の重なり合う強き運命の影は濃さを増していく。一方、沖田のキャディを務める石倉は体力の消耗が激しく、キャディとしての役割を果たす事が難しくなってきた。石倉をかばいながらプレーを進める沖田に、競技委員が声を掛けた。その言葉は……………【全208ページ】
風の大地 76
ウォーレン、明日への咆哮!!セント・アンドリュースの魂が宿る17番ホールを制する者に勝利の女神が微笑む――沖田は1日目、2日目のトラブルを引きずることなく、勇気に満ちたティショットを放つ。盤石な試合運びに定評のあるウォーレンだが、沖田を強く意識しはじめたことから心に小さな綻びが生まれる……大会3日目の終盤に大きな波乱が!?好敵手がいるからこそ恐れと喜びが生まれる。そう信じる二人の魂はどこまでも熱くなっていく!!【全208ページ】
風の大地 77
全英オープン最終日スタート。熱量、猛烈!世界の強豪が競演する夢の舞台―――全英オープンは大会最終日にその様相を一変させる。1番ホール、観客の熱気と歓声が渦巻く中で沖田圭介はリック・スチュワートと同組でスタート。感じたことのない欲望の炎が燃え上がる沖田。1番ホールでイーグルを奪取し首位に肉薄していく。一方、狂気を迸(ほとばし)らせるスチュワートは淡々とプレーを進める。この男から溢れ出る執念に気づく者はまだ誰もいなかった……【全204ページ】
風の大地 78
悲願のメジャー初制覇へ!沖田圭介と笠崎孝は気持ちをひとつにして戦い抜かなければならない時に、ポットバンカーにはまった球のリカバリーショットで二人の意見が割れる。笠崎の提案する安全策に首を縦に振らない沖田。その心に響いていたのは今は亡き宇賀神さんの言葉だった。過去をみつめるだけの臆病者で終わりたくない。未来を感じ取り、突き進む勇敢な選手でありたいと願う沖田は、常識にとらわれない奇策に打って出るのだが……【全208ページ】
風の大地 79
全英オープン最終日、野獣覚醒!!全英オープン最終日、4番ホールで沖田圭介は遂に首位をとらえる。厳しいコースセッティングの中で戦い抜くために、沖田は宇賀神さんの最後の教えを思い出す…………それは“模倣”だった!!セント・アンドリュースを誰よりも知る者として矜持を持つリック・スチュワート。リックの持ち球であるビッグドローを完璧に模倣し続ける沖田。一進一退の攻防を繰り広げる二人にコースがけむるほどの豪雨と強風が襲いかかる。首位に躍り出るのは誰だ!!【全208ページ】
風の大地 80
沖田の全英、ここに終わる!?「模倣のゴルフは、絶えず私の後を追う事を意味する」単独首位に立つリックは、惜しげもなくリンクスで編み出したショットを沖田に見せつける。沖田はすぐさまその球を模倣し、食らいついていく。両者が繰り出すプレーに、緊張を解く隙などない。不安定な風が吹く7番ホール。キャディ笠崎の反対を押し切り、沖田はドライバーでティショットを放つ。沖田自身でさえも気づかぬまま、少しずつ歯車が狂いはじめていた……【全212ページ】
風の大地 81
苦節十年、リック魂の咆哮をあげる!!セント・アンドリュースのロートルキャディ達は、8番ホールから12番ホールを悪魔の棲む岬と呼ぶ。予測不可能な風が絶えず舞うこの岬で、沖田は8番ホールをトリプルボギーとした後に、9番ホールでチップインバーディを取る。生まれた時から身についているパフォーマンス性の強さを見せるが、不安定なゴルフは続き、首位リックとの差は7打差まで開く。首位を走るリックは、運命という無責任な言葉を嫌ってきた男だった。女神の悪戯も悪魔のせせら笑いにも心を揺るがす事はなく、積み重ねてきた自分のゴルフに忠実な男だった。しかし、フェスキュー草が茂るラフからの一打から新たな試練がリックにのしかかる!!【全212ページ】
風の大地 82
優勝を手繰り寄せる一打を放てる者は?スコットランド人として64年振りとなる全英オープン優勝を期待され始めたリック・スチュワート。観客のボルテージが上がる12番ホール・ティグランド。リックは完璧なティショットを放つがバンカーにつかまる。不甲斐なさから激高するリック!!アンガス侯爵に見放され、世間から変人と批判され、友にも見捨てられた孤高の男に寄り添う者はもうブロディしかいない。リックは再び人に心を預けられるようになるのか!?【全213ページ】
風の大地 83
沖田の心に宿る“挑戦”という信念。「戦略を考えると眠れなくなる……」出場したプロ全員がティショットでアイアンを選択し、ボギーで凌げれば万々歳と思える13番ホール。沖田はティショットをドライバーで振り抜くが、コース内で最も深いとされるラフに入れてしまう。首位リックに迫るにはどうしてもこの13番ホールでバーディが欲しい……沖田の焦りはとんでもない不運を呼び込んでしまうことになる。それでもひたすら前を向き続け、勇気を目一杯詰め込んだ熱球を打つ!!【全212ページ】
風の大地 84
夢、尽きるまで。沖田圭介は進む。その時、ゴルフの聖地セント・アンドリュースの空気が揺れた――14番ホール第2打地点で、首位リックと4打差の沖田は2アイアンを選ぶ。沖田が刻みに徹したプレーをするものとばかり、皆が思っていたところ………放たれた球はカップイン!!アルバトロスという異次元の出来事に度肝を抜かれた観客達。ゴルフの聖地は大歓声に包まれる。その光景を目の当たりにしたリックやウォーレンの目の輝きが増したのは言うまでもない――呼応する男達が放つ球が描く放物線は、無我の境地に至る者が故の軌跡か。【全212ページ】
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