ゴルゴ13
英国諜報部は大戦末期に莫大な偽札を隠匿した元ナチの親衛隊長を消すためにゴルゴを雇った。要塞化した城で待っていたものは!?
(※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています)
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エディターのおすすめ
「……10%の才能と20%の努力………そして、30%の臆病さ……残る40%は……運だろう……な……」
超A級スナイパー・ゴルゴ13は寡黙なイメージが強い。だが時折、読者の心を射止める言葉を放つ。上記のセリフは、プロとして成功する条件を聞かれた際に答えたものである。運が40%も占めているのかぁ。多いな。でも、この数字は「自分次第でできること(20%の努力+30%の臆病さ)」「自分ではどうしようもできないこと(10%の才能+40%の運)」に分けられる。成功するには、半分は自分の力、もう半分は他人の力が必要なのである。
『ゴルゴ13』の魅力は数多くあるが、一番の魅力は緻密な脚本だと思う。多くの脚本家が作品毎に関わっているが、国際情勢を反映した作品や人情味溢れる作品もあり、読者を飽きさせない。ゴルゴ13がほとんど出ないまま話が進み、最後に一瞬だけ狙撃して終わる場合すらある。それでも成立するのは、脚本がとんでもなく骨太だからだ。
機械のような正確さでターゲットをスナイプするシーンは、読んでいて非常に心地良い。また、彼のストイックかつ価値観がフラットなところは、人間としてめっちゃ魅力的。権力に決して屈せず、己の“ルール”を大切にする。CIAからの依頼も一介の老婆からの依頼も同じ“ルール”で遂行する。そこにプロとしての矜持を感じる。
1968年の連載開始から多くの要人を狙撃し続け、はや45年。劇画作品なので、敬遠しがちな人もいるかもしれない。でも、長年愛され続けるには理由がある。その理由を、あなたにも是非感じ取って欲しい。
(編集:高倉|作成日:2013/11/5 )