愛の記憶を求めて
やっとあなたに会えたのに、どうしていいのかわからない。
■四カ月前に夫のセバスチアンが姿を消してから、ゲリスの幸せだった日々は悪夢へと変わった。もう戻らないという手紙が送られてきただけで、夫がいなくなった理由も消息も、何もつかめないままだ。もうじきクリスマスだというのに……。ゲリスは悲しみを抱え、街のカフェにひとり座っていた。やがて店のドアが開き、入ってきた背の高い黒髪の男を見て、彼女は激しいショックに襲われた。これは幻覚? いいえ、そうじゃない。彼は間違いなくセバスチアンだ。ところが凍りついているゲリスに、夫はいぶかるような視線を返してきた。
(※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています)
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