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レビュー一覧
売国機関
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陸奥守さん
5
2024-08-19
現実世界におけるドイツとロシアに挟まれたポーランド的な存在が舞台となる架空戦史ものですが、派手なドンパチやスカッとする英雄譚は一切出てきません。しかし、史郎正宗師の描いた歴史的名作である『攻殻機動隊』に出て来た架空の攻性組織である公安９科の如く、どんな形にせよ平和であるために努力する人々の奮闘と鬱屈した感情が描かれています。昨今の現実世界がそうであるように、無責任な形で感情を吐露する民衆に対し、砲弾飛び交う屍山血河の中を這いずり回り、絶望と無力感と徒労感を抱えたまま戦った戦争経験者が素直な心情を吐露するシーンは隠れた見どころでしょう。昔から言うように歌や踊りや思想信条、或いは信念だので平和はやって来ない。夥しい量で流された同胞や戦友の血と汗と涙。そして、平和の為にと無名の精鋭たちが捧げた夥しい数の『無益な死』の為に、売国奴と罵られながら平和を維持する為の物語。昨今の複雑な世界情勢を俯瞰的に眺める為の予備知識としても読んでおいて無駄じゃないと思います。
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複雑な物語です。なかなか難しくとっつき辛いですが、面白いです。セリフが多いので、読むのが大変ですね。