
おひさまのはぐ
高校時代、派手で目立つタイプだったが今は女として着飾ることをやめてしまった映美。彼女と対照的に、地味で目立たない存在だったが、美しくなり男性関係も華やかになった綾花。同級生の2人は、ある男を巡りどちらも心に暗い影を抱えることになった。それから数年が経ち、再会した2人を繋いだのは日だまりのように優しい男。傷ついた彼女たちの心を暖かく包み込み、そして――。
(※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています)
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エディターのおすすめ
派手な女と地味な女がいたら、地味な女を応援したくなってしまうのが、私のような地味女の性である。でも本作の派手女は高校時代、彼氏を地味女に奪われてから髪を切り、普通の女として生きていく。そんな過去を持つ主人公・映美が人を信じ、新しい一歩を踏み出していく。そこが、本書の魅力であり、応援したくなるところなのかな。
映美ともう一人の主人公・祐誠の出会いは、すごく突然。いきなりパンツ一丁で映美の家に押しかけてくるのだ。印象的な登場シーンで、つかみはバッチリ。女物の服を借り、落ち着きを取り戻した祐誠は、ドヤ顔で映美に向かって言うのである。
「地獄極楽は心にあり」
心の持ち方しだいで、この世が地獄にもなり極楽にもなる、という意味だけど、副住職兼クレープ屋というワケのわからん男が言うと、ありがたみも半減である。だけど、祐誠と関わっていくうちに映美の心が少しずつ温かくなっていく過程を見ると、この言葉にも重みを感じてくる。
おひさまのように温かい気持ちを持って生きていくことができたなら、きっと仕事も恋も楽しめることでしょう。そして、そうした人生を歩めるかは結局、気持ちの感じ方次第なのだ。好きになることで、前向きに進めるような気がしてくる。本書は、忙しく生活していると忘れがちなそんな気持ちを教えてくれる一冊だ。
(編集:高倉|作成日:2013/7/9 )