レビュー一覧

作家買いです。大島先生の新刊楽しみにしていたので、即購入しましたが、好みの話ではなかったです。結論から言うと、ラストがメリバっぽくてモヤモヤしました。序盤はどんな展開になるのかな、大島先生の絵は相変わらずうまいなとワクワクしながら読んでいました。しかし中盤あたりから、あれれ？という感じでこのままじゃうまくいかないのではと疑問に思い始めます。終盤は見るのも痛々しい感じで、暴力や人種差別、世界恐慌なども絡んで、読んでいて辛かったです。受けの生い立ちも辛いし、ウリをしていたというのも予想はできましたが、個人的にはそんなことをしない生活を営んでほしかったという気持ちがあり、かなり嫌でした。2人が一緒にいて幸せならいいんですが、逃げ隠れしながらの生活、金銭的にも苦しい生活というのは気持ちを荒ませると思います。この物語が終わった後の2人がちゃんと幸せになれているのか、かなり心配です。後味が悪く、読んだことを少し後悔しています。もう少し下調べをしてから購入すればよかったです。

Drifter, NYと来れば｢朝食｣かなと思ったけど、“Moon River”がモチーフみたい。ならばストーリーの柱は、My Huckleberry Friend(忘れられない初恋の幼馴染)ですよね。但し、受けの境遇は思った以上に過酷です…でも問題はそこじゃない。陰の部分は享楽のNYや、恵まれた退屈を持て余す攻め(昔)との違いを際立たせるものだから、Two driftersの｢虹の終わり｣への期待感で前のめりになれたのに、1929 NYと言えば…からの終盤ダイジェスト。急速に冷めていくのを感じながら読む羽目になるなんて…。生半可なラブストーリーではなく、この時代のこのふたりに迫った愛憎物語を見せて欲しかったよぉお。上下巻向きの好題材が惜しまれます。

受けの生い立ちや人生がスーパーハードです。虐待、犯罪、、そして、先に待ち受ける報復。リアルで残酷な世界観の中に見つける小さな幸せ。ハッピーエンドではありますが、私は読後、どよーんと、くらーい気持ちになりました。作者さま独特の笑えるところを期待していたので。

おしい。話はいい。一巻で終わらせず、もう少し書き込んでくれれば…。そして２人の心の機微と、これから先の２人もまた描いてくれれば良かったのに。おそらくストーリーが一巻に収まる話ではなく、かなりカットして描かれたのでは？例え長編になったとしても描きあげる力量もある作家さんだろうに。好きなように描かせられない編集さん側の度量が足りなかっただけ。

久しぶりにレビューを書きます。漫画ならもっと楽しく最後はハッピーエンドというのは理想ですが、これは禁酒時代・世界恐慌時のアメリカでの若者の人生を非常に現実的に書いた物語で、もっと評価されてよいと思います。絵やコマ割りも上手ですっと入ってきます。人種問題、貧困問題に当時のアメリカの社会背景を加えた本当によくできた作品です。攻め男性の愛が深くて少し心が救われます。2人のその後が見たい。幸せになってほしい、そう願ってしまう漫画でした。

☆3.5。萌えポイントは複数あり。色気のある大人の男達だし、それに好きな作家さんでもあり、それなのに期待したほど自分の中で盛り上がらなかったのは何故だろう。ストーリーはもうあらすじ読めばほぼわかるというくらいわかりやすいんですが、その割にはただの日常じゃないためいろんなことがありすぎて、一冊で読むのはもったいなかったかなぁ。サラッと流されちゃうと、そこもっと深掘りしてほしかった…と感じる部分がいくらか。

歴史を思い返せば彼等の破綻はなんとなく予測できたけど、でも、切なかった。何もかも失って、彼等はふたり一緒に生きていける。しかし、ここからのアメリカは不況と日本も他人事ではない戦争で更なる苦境の時代になる。漂う彼等は徴兵されないのかもしれないけど、試練の連続なんだろうなぁ。ふたりの愛は暮らしに苦しむ彼等を、子どもの頃の気持ちのままいさせてくれるだろうか？彼等の人生のこれからを考えさせるとても良い作品でした。

切なくて泣けてきた。最後はメリバともハッピーエンドともとれる。時代背景から世界恐慌からのあおりを食らうことは予想できたけど，マフィア絡みでそこまで落とされるかー（ため息）…静かな怖さがある。その後も歴史的には戦争に入っていく暗雲立ち込める時代だけに，心は晴れない終わり方です。どなたかMoon Riverの歌詞のrainbow endになぞらえた感想を言われていましたが，絶妙な感想でした。虹って普通は希望の象徴として捉える。けど，現実には，虹の終わりって存在しないし，いつの間にか消えてしまうもの。2巻ぐらいで苦難はあっても…戦後まで生き延びて幸せに暮らしているところまで見せてほしかったなぁ。お話の組み立てはよくできていて面白いのですが，鬱々とした気分なので，☆4で。

時代に翻弄される二人の「刹那に生きる」が真に迫ってくる。鬱々とするが物語としては巧い。人生の象徴として「窓」。夢の窓には広大な海があり、ラストはビル群に挟まれた極小の海。意味深な壁のキズは単なる窪みか弾痕か。スパッと閉じる幕切れをどう感じるかで評価も分かれそう。私はこの余韻こそ。と思うので、これ以上は冗長で過剰。むしろよくこの長さでまとめられたなと思います。眼鏡はいらないがケースは宝物・黒髪ゆえに生き延びたが遺伝には嫌悪・リッチになっても食い溜めする習性…細かな描写が痛ましく切ない。壮絶シーンは直接の描写をうまく避け、想像上で残酷物語を焼き付ける（余計心臓にくるけども）。苦いのに後味が悪くないのはひとえに技巧と品格かな。読者に忖度せず、これからも大島さんらしいビター作品をぜひ（ハピエンもぜひ）。☆4.5。

救いようがないのに圧倒的ロマンス。ブロークバックマウンテン以来の感動。今まで読んだ作品中でも一位二位を争う素晴らしさ　素晴らしすぎてもう他の作品は読めないってなった。このまま外国で映画にしてもいい。上質すぎる。BL漫画の到達点、私にとってはこれが正解。みんなここ目指してほしい。絵も味わいがあって上手い、きれい。キラキラとドロドロどっちもイヤミがなく描いている。