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「うわぁー、わかるわぁ」が第一声の感想でした。自身もすごく閉鎖的な田舎町の出身で、幸いと言うか、直の親族は全員その田舎ぶりが嫌(だったのだろうと思っている)で、その町を出ていっているけれど、遠縁の人達は全員その町にいるので。何だろう、この住んでいる町が絶対、という感覚とか、女性が高学歴だと嫌味を言うとか、町の中の付き合いだけで完結するところとか。登場人物2人もそんな環境が嫌だったのだろうに、そこから抜け出せた主人公と、出られなかったもう一人。切ないなぁ、って思います、どちらも。私の故郷も未だにそうなんだろうなぁ、と溜め息をつきつつ、でも数十年前まではそんな環境がこの国を支えてきたのだろうし、とも(一応)わかってはいるし。そして、自分と同世代で、結局そこから抜け出せなかった人達が同じ事を繰り返しているだろう複雑な気持ち。闇だな、と思ってしまう。でも、変化を好まない国民性や、変わらない事での安心感…わかりみが強すぎますね。

田舎の無い人間にはわからない部分もありますが、時に肉親の親切がいたたまれない、憎しみにさえ変換される事は理解出来る。その地に一生を捧げる事が幸せだと思える人は楽かも知れない。でも外へ出ていく事は生き物としての本能の一つだ。果てしなく濃い血の中で生きるのは何か自然に反する行為のような気がする。そんな事を考えさせられた作品でした。

田舎の閉塞感。田舎の人は良く言えば、親身。悪く言えばお節介。兎に角、閉鎖的。村八分とは、良く言ったもんで仲間内で監視し合っているかの様で、やだなぁと思います。