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「戦後な70年経ってもGHQによる日本人のマインドコントロールは解けていない」と主張するケント氏。彼自身は本著のタイトルが「まだトンデモ右翼思想の洗脳に縛られているワタシ」の自己投影であるという自覚はないようだ。彼によると「大半の日本人は政治家・教育界・マスコミや街宣右翼等の工作・策略に嵌って愛国心を失っている」らしい。彼はまだ「自省と自虐は異なること」「日本人が策略等とは無関係に自らの意思で自らの過ちを反省する誇り高い民族であること」「民度の低い未成熟な集団ほど構成員の忠誠心を必要とすること」等の事実を十分知らないのだろう。著者がその著書で繰り返す「彼らは洗脳されている」も自己投影による同属嫌悪に過ぎない。また、南京事件や従軍慰安婦について「自分なりに資料を集めて勉強した結果、捏造のオンパレードで悪質なプロパガンダであることを確信した」そうだが、100以上ある関連文献等の全てに目を通したかどうかは怪しい。多忙な著者のこと、他のネトウヨ同様、精々10冊程度の捏造論擁護派の書籍を、その内容の論理的瑕疵は不覚なまま結論付けているのだろう。このように当座の情報にすぐ感化されてしまう単純さや中途半端な懐疑主義が、ネトウヨの特徴だ。「無知の知」を知らないか、或いは知っていてもいざとなると顕在意識に昇らないのである。彼らもまた低水準教育の犠牲者だ。義務教育で哲学・心理学を教えないから、想像力・自制心・倫理観・論理的思考力・メディアリテラシー・問題解決力が低くなる。高水準教育≠高学歴。低水準教育下では幾ら高学歴でも「殺せば解決」「己の不快感は他人のせい」「我が知見こそ全で真」「真実は一つ」「ワタシは高水準教育を受けた」と錯誤する。彼や本著の愛読者には、少しでも自己客観視能力を高めるために感情自己責任論の通読を勧めたい。自称反差別主義者や自称愛国者が差別や自虐史観を声高に非難する目的は、自身の心底に潜在する劣等感・情緒不安の払拭。差別心や自虐的国家観を自覚なく他者に自己投影して同属嫌悪する偽善者ほど、自身の平等主義や自慰史観に心酔し正義面する。