レビュー一覧

『女王のトランク』『ホカヒビト』の作者　北森サイさんのデビュー作を含む短編集。非常に深い物語を感じられる稀有な作家さんです。特にちばてつや賞（大賞）をとった『泣き虫とうさん』は傑作。不器用でカッコ悪く、生き方の下手くそなとうさんに胸がギュッと締め付けられます。絵柄は独特でどことなく懐かしい感じがしますが、後書きで萩尾望都さんの影響を強く受けておられるとあって納得しました。デビューが遅い作家さんなので発表されている作品は少ないですが、これからも人間愛に溢れたドラマティックな作品をたくさん描いていただきたい。

北森さん、こんな素敵な短編集を描かれる方だったんですね。他の作品も人物の内面描写が細やかだなと思っていましたが、「泣き虫父さん」は、傑作ですね。

短編集2も、とてもよかったです。丁寧に描かれた漫画を読むのは幸せです。

何か特別なことが起こるわけでもなく、ありふれた日常が描かれていますが、絵の雰囲気もあって、何か良いです。

繊細な筆致で人の日常に潜む心理を丁寧に描く、純文学系の短編ストーリー集。北森先生の初期作品集のよう。現在は女王のトランクが人気を集めつつあるよう。今は少しストーリーの傾向が違うようだが、心理を丁寧に追っていくのは初期からだとわかる。

叙情的な短編集。人間の心理描写が丁寧で共感できる。

心がとても穏やかになるような、とても素敵な作品でした。

読者を選ぶ漫画家さんだと思いました。爆発的に売れることはないかもしれませんが、熱心なファンを確実に獲得できるタイプ。「泣き虫とうさん」みたいな作品ならば、また読んでみたいです。

はじめての作家さんでしたが、どのお話も心を揺さぶられる素晴らしい物ばかりでした。漫画って、本当にいいですね。ご本人も言ってらっしゃいますが、萩尾望都先生の絵柄に似たようなところはありますが、お話が深くて引き込まれました。

人の微妙な心の描写にはっとさせられたり、心打たれたり、童話を思わせるような幻想的な世界にひたらせてもらったり、それぞれの短編が濃厚です。どこか懐かしいとさえ感じる世界。文芸集を読んでるような気持ちにもなりました。この作者さん、すごい。