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兄妹ものが私のツボで、サンプルで惹かれたままに読ませていただきました。私には、他の方のレビューにあるような「強制終了」的な内容に思えず、もっと長い物語の第二章が終わったような印象で、十分まとまっている様に感じました。なので星の4個目は、続編の期待を込めてのリクエスト点です。このままで終わるのが惜しい理由は、3つあります。ひとつは「成り代わり」のアイデアです。あと腐れ無く殺せるという点ではゾンビの変奏といえます。また、それと同じように個別の存在としての強さよりも、集団化された状況次第ではじめて危機的局面が作り出されるタイプのモンスター(?)であり、さらにこういうボディスナッチャーは社会に融け込む厄介さも加わるので、潜在的にまだまだいろんな展開が可能だと思います(あと、たしかに上下巻だけでそれ自体何なのかまでは解き明かされませんが、もしもゾンビ物であれば、ほとんどお約束で大した説明もなされない部分です。この作品の致命的欠陥とまで云えないのではないでしょうか?)。ふたつ目は、タイムリープの設定です。それを大別すれば①主人公がリープを自由に制御できる②主人公が死ぬことでリープする③主人公以外の人物の死などがリープの条件―となるかと思います。この作品は③です。もし愛する人をその〈条件〉に据えるなら、ロマンスを盛り上げる絶好の設定であり、タイムリープの設定としては、じつに心憎い的確さがあるのです。むろん以下のこととの相性は、云うに及ばないこととなります。三つめが、兄妹の関係になります。兄妹は近親相姦に踏み込まず、好もしく思えます。しかし兄はある理由により、ストイックなまでに妹を守ろうとします。ですがそれは果たせず、妹は執拗なまでに兄の目の前で無残な死を見せつけていく―いわばエロスではなくタナトス(死)による近親相姦が、作者の描きたかったテーマなのでしょう。兄と妹の間にある壁は、たとえば「君の名は。」における時間の壁よりもある意味、愛し合う当人たちにとって過酷な障壁です。兄妹の倫理観が強ければ強いほど、そうなります。次第に峻烈さを増していく兄の妹への愛は、繰り返されたその死の錬成によってしか達しえないうすら寒いようなものとなっていきますが、これはエロスによっては表現できない可能性を秘めている気がします。この作者の独創にすらなる―とまでは、云い過ぎでしょうか?女の子が可愛いですよ!
妹の死を契機に、タイムリープが始まったストーリー展開が醍醐味。ホラーではなくミステリーサスペンスなのでこれからの展開を考えるのが面白い。
血まみれホラーとタイムリープの組み合わせは面白そうだけど、イマイチ生かしきれてない気がします。
上巻はまずまずのストーリー展開でしたが、下巻のストーリーは中途半端なままで展開や設定が未消化の状態で唐突に終わりに向かいます。無理矢理に終了させた印象しかありません。1冊700円と高額でもありますので、ストーリーに期待をする方は手を出さないことをお勧めします。肩透かしを食らって後悔する覚悟を決めた方だけ、購入するのが良いと思います。
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兄妹ものが私のツボで、サンプルで惹かれたままに読ませていただきました。私には、他の方のレビューにあるような「強制終了」的な内容に思えず、もっと長い物語の第二章が終わったような印象で、十分まとまっている様に感じました。なので星の4個目は、続編の期待を込めてのリクエスト点です。このままで終わるのが惜しい理由は、3つあります。ひとつは「成り代わり」のアイデアです。あと腐れ無く殺せるという点ではゾンビの変奏といえます。また、それと同じように個別の存在としての強さよりも、集団化された状況次第ではじめて危機的局面が作り出されるタイプのモンスター(?)であり、さらにこういうボディスナッチャーは社会に融け込む厄介さも加わるので、潜在的にまだまだいろんな展開が可能だと思います(あと、たしかに上下巻だけでそれ自体何なのかまでは解き明かされませんが、もしもゾンビ物であれば、ほとんどお約束で大した説明もなされない部分です。この作品の致命的欠陥とまで云えないのではないでしょうか?)。ふたつ目は、タイムリープの設定です。それを大別すれば①主人公がリープを自由に制御できる②主人公が死ぬことでリープする③主人公以外の人物の死などがリープの条件―となるかと思います。この作品は③です。もし愛する人をその〈条件〉に据えるなら、ロマンスを盛り上げる絶好の設定であり、タイムリープの設定としては、じつに心憎い的確さがあるのです。むろん以下のこととの相性は、云うに及ばないこととなります。三つめが、兄妹の関係になります。兄妹は近親相姦に踏み込まず、好もしく思えます。しかし兄はある理由により、ストイックなまでに妹を守ろうとします。ですがそれは果たせず、妹は執拗なまでに兄の目の前で無残な死を見せつけていく―いわばエロスではなくタナトス(死)による近親相姦が、作者の描きたかったテーマなのでしょう。兄と妹の間にある壁は、たとえば「君の名は。」における時間の壁よりもある意味、愛し合う当人たちにとって過酷な障壁です。兄妹の倫理観が強ければ強いほど、そうなります。次第に峻烈さを増していく兄の妹への愛は、繰り返されたその死の錬成によってしか達しえないうすら寒いようなものとなっていきますが、これはエロスによっては表現できない可能性を秘めている気がします。この作者の独創にすらなる―とまでは、云い過ぎでしょうか?女の子が可愛いですよ!