頭上の敵機

イギリスのアーチベリー飛行場は、アメリカ空軍第918爆撃隊の基地であった。在英爆撃隊の司令官プリッチャード将軍は、ドイツ戦力の源となっている軍需工場を壊滅させるため、危険と知りつつも昼間爆撃を行った。第918爆撃隊は、航空士のジムメルマン中尉の誤算により、敵の集中攻撃をうけ4分の1以上の未帰還機を出す失態を犯してしまった。温情家だった隊長のダヴェンポート大佐は、これを味方の不運として表沙汰とせずにいたが、指令部付きのサヴェージ准将は親友である大佐の心境を見るに忍びず、率直にプリッチャード将軍に進言した。こうして、第918爆撃隊はサヴェージ准将が代わって指揮をとることになった。サヴェージは隊の士気が著しく弛緩していることを知った。すでに責任を感じたジムメルマン中尉は自殺してしまったが、その他の責任者に対し彼は容赦なく賞罰を明らかにし、猛訓練を全員に課した……。